同じ注文でも、先に決めた条件が違う
上昇が続く銘柄を見て、買う予定を急に前倒しする。一見するとモメンタム投資ですが、上がった後にその場で理由を作ったのなら、事前に決めた戦略とは違います。モメンタム効果は過去の相対的な収益と将来の収益の関係で、焦って追いかける行動を正当化する名前ではありません。
注文したくなった前後を照合する
仮に、決算資料を読むまで注文しない予定だった人が、昼休みに連続上昇の投稿を見て、すぐ買いたくなったとします。まず、投稿を見る前の条件を記録へ戻します。次に、新しく得た事実が業績の情報なのか、値上がりを見たという事実だけなのかを分けます。最後に、金額や調査の期限を変える理由を言葉にします。
企業の成長や公表済みの材料を調べ、見通しを変える場合もあります。上昇株を全て割高と決めつける必要もありません。問題は、焦りで未確認の項目を確認済みにしたり、資金に見合わない額へ増やしたりすることです。
心理の説明と研究の結果は違う
情報への反応の遅さや、投資家の行動を背景に考える説明はあります。しかし過去の銘柄群に収益差があったという結果だけから、個人の心理や、一つの原因を断定はできません。JegadeeshとTitmanの研究も、何でもSNSの追随で説明するための資料ではありません。
実際の注文では、参照する期間を値動きに合わせて都合よく変えないことが検証の前提です。反転した後に別の期間へ切り替えれば、前のルールが機能したか分からなくなります。
他人の利益へ追いつくことと、自分の資金をどう配分するかは別の問いです。購入しなかった後に値上がりすることもありますが、その結果だけでは調査を省く方がよかったとは言えません。後で見直せる記録を残すと、焦りの強さと投資根拠を混ぜずに振り返れます。
出典
- Jegadeesh・Titman(1993)『Returns to Buying Winners and Selling Losers』(出版社公開要旨)
- Kenneth French『Monthly Momentum Factor』(分類・構築の方法)
出典確認日:2026年10月23日。