何日も上がると、次も上がるのか
株価が続けて上がると、その勢いが続きそうに感じる場合があります。反対に、上がり過ぎたから次は下がると考える場合もあります。しかし、続いた回数だけから、次の方向を必ず決められるわけではありません。
ランダムウォークは、ランダムな増分を積み重ねて変化を表すモデルです。代表的な単純な形では、それぞれの増分が互いに独立で同じ分布に従うと置きます。金融で使われる際には、過去の価格変化だけで次の変化を容易に予測できるかという問いへ関わります。
独立な増分を置いた仮例
独自の模型として、最初の値を100、毎回の変化をプラス2またはマイナス2、確率をそれぞれ50%、各回は独立と置きます。4回続けて上がり108になっていても、この模型では次は110か106で、それぞれの確率はなお50%です。
過去の連続上昇によって、次の確率が変わらないのは、独立という条件を置いたからです。実際の株価の上下が各50%、毎回同じ値幅であると主張していません。この模型は遠い将来に不自然な値を取り得るため、実際の株価を完全に表すものでもありません。
重要なのは、たまたま見えた並びと、その並びが次の確率を変える仕組みを区別する点です。現実でその関係を主張するなら、別の期間でも成り立つかなどの検討が必要になります。
ランダムだから期待収益がゼロとは限らない
ランダムな変化を含むモデルでも、平均的な増加傾向などを加える考え方があります。次の動きを確実に当てられないことから、長期の期待収益が必ずゼロになるとはいえません。期待がプラスでも、実際の損失は起こり得ます。
また、価格の変化が完全に独立という強い仮定と、公開情報を使って費用控除後に安定して超過収益を得るのが難しいという議論も、同じ主張ではありません。効率的市場仮説と関連しますが、両者を無条件に同一視しない方が、研究の範囲を読みやすくなります。
予測の限界があっても、調べる対象は残る
企業の事業や負債、商品の費用を調べれば、自分が何を保有するかや、何の損失を負担し得るかを理解できます。それは、明日の値上がりを当てることとは別の目的です。
Malkielの論考も、市場効率性や予測可能性をめぐる議論を扱っています。現実にどの程度予測できるかは、データや条件を伴う問いです。モデルの名前だけで、すべての分析が無意味、または一定の手法が必ず勝つという結論は出せません。
出典
参考資料の確認日:2026年10月23日。