小型株の1月だけが強いなら、何を比較したか
1月効果の説明で小型株が出てくると、1月は市場全体が強いのか、小型株が一年中強いのかが混ざりやすくなります。一方は時期の比較、もう一方は企業群の比較で、同じ問いではありません。
両方に関係がある可能性を考えるなら、月と企業規模を分けて並べる必要があります。Keimの研究も、規模と年初の収益の関係を扱った過去の米国株の分析です。
比較軸を二つに分けた独自の仮例
説明のために、架空の企業群の月次平均収益を次のように置きます。実際の研究や指数の実績ではありません。
| 企業群 | 1月の平均 | 他の月の平均 |
|---|---|---|
| 小型株の企業群 | 3.0% | 0.5% |
| 大型株の企業群 | 1.0% | 0.8% |
この設定では、小型株の1月と他の月の差は2.5ポイント、大型株の差は0.2ポイントです。小型株で大きい差を見て、大型株も同じ差があると説明することはできません。
また、これは算術平均の比較で、1月に買う投資の将来利益を示していません。観測回数や変動の大きさが示されていないため、この表だけで統計的に有意な差があるとも判断できません。
同じ月次平均でも、対象が違えば意味は変わる
時価総額で重みを付けるか、各銘柄を同じ比率で持つかで、企業群の平均は変わります。小さい会社が多く含まれる場合、等金額の組み方と時価総額の組み方で見える結果は同じとは限りません。
上場廃止や新規上場をどう扱うか、配当や売買費用を含めるかも必要な条件です。違う期間の研究を比べる際は、その間の制度や対象市場の変化も残ります。
季節性とトレンドは別の材料
1月というカレンダー上の分類は、現在の上昇トレンドを示すものではありません。高値や安値が下がり続けている場合でも、1月の分類には入ります。企業の利益や返済の負担がどう変わったかも、月の名前からは分かりません。
さらに、過去に相対的な差があっても、絶対的な収益がプラスだったとは限らない場合があります。他より損失が小さいという結果と、個人が利益を得たことを分けます。
比較する問いを一つずつ明確にする
知りたいのが時期の差なのか、企業規模の差なのかを先に分けると、どのデータが不足しているかが分かります。1月効果を別の効果の名前で補強するより、対象、期間、重み、費用をそろえて読めることが比較の中心になります。
出典
- Donald B. Keim「Size-related anomalies and stock return seasonality」(1983年、著者所属大学公開版)
- Kato / Schallheim「Seasonal and Size Anomalies in the Japanese Stock Market」(1985年、出版社の書誌・公開抜粋)
参考資料の確認日:2026年10月23日。