セル・イン・メイとは?意味と投資判断での使い方

5月に必ず下がる、という意味ではない

5月の相場で耳にするセル・イン・メイは、英語のSell in May、つまり5月に売るという相場格言です。秋ごろに再び市場へ戻るという続きと合わせ、季節によって株式を持つ期間を変える考え方として紹介されます。

5月の初日から末日まで必ず下落するという意味ではなく、5月が毎年の最高値になるとの保証でもありません。野村證券の2024年の解説も、格言の意味と、売買期間を設定した過去の検証を分けています。

過去の月別の特徴を季節アノマリーと呼ぶことがありますが、同じ月に必ず生じる市場の法則とは限りません。言葉の意味を知ることと、次の年に使える取引規則を確かめることは別の作業です。

平均がプラスでも、毎回上がるわけではない例

統計の読み方だけを示す独自の仮例として、ある架空市場の同じ夏季区間の収益率が、六つの年で順にマイナス2%、マイナス2%、マイナス2%、マイナス2%、マイナス2%、プラス20%だったとします。実際の市場データではありません。

六つを足すと10%で、単純な平均は10÷6、約プラス1.7%です。一方、六つのうち五つはマイナスです。一度の大きな上昇が平均を押し上げたので、平均がプラスでも上がる年が多いとは限りません。

この数字からセル・イン・メイが有効とも無効とも判定していません。平均収益率と、上昇・下落の回数は違う情報だと示すための設定です。過去の実際の回数が分かっても、それがそのまま将来の確率になるとは限りません。

売る日と戻る日が曖昧なら、戦略の比較はできない

季節性の検証では、対象市場や指数、集計した年、売買日の置き方をそろえます。4月末に売る設定と5月末に売る設定では、持たない期間が違います。秋のいつ戻るかでも結果は変わります。

配当を含むか、現金で待つ間の利息、費用や税金を含むかも確認点です。円で使う資金を外国資産へ投じる場合には、為替の影響も加わります。価格指数の変化を、そのまま自分の手取りの利益と数えることはできません。

さらに、過去の結果を見て最も良かった月や日だけを選べば、後から都合よく作った規則になる場合があります。最初に条件を定めた検証と、結果を見て作った説明を分けて読む必要があります。

暦から、具体的な需給や企業情報へ進む

季節の話をきっかけに、決算の予定、売買の状況、企業の利益見通しを確かめることはできます。ただし、取引量が少ない時期であることだけから、価格が下がる方向までは決められません。

投資資金を使う時期や保有理由が変わらないなら、月の名前だけで売買を変更する根拠は不足します。格言を聞いた時には、その説明がどの市場と期間を対象にし、自分の取引と条件が合うかを読むところから始めます。

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