黒鳥理論とは?実例でわかる投資判断の使い方

想定外の出来事を、予告する道具ではない

大きな下落の後に、黒鳥だったという説明を聞くことがあります。ただ、黒鳥、ブラックスワンの考え方は、どんな下落が何日に来るかを示す売買手法ではありません。普段の予想の範囲を外れる影響に対して、自分がどんな弱さを持つかを考える入口になります。

Talebの序文では、通常の予想から外れること、影響が大きいこと、後からもっともらしく説明してしまうことが結び付けられています。大きな損失が起きたという理由だけで、すべて同じ種類の出来事と決めることはできません。

別の資産でも、同時に下がる場合を置く仮例

独自の仮例で、資産Aを60万円、資産Bを40万円持ち、合計100万円だったとします。あるショックの下でAが35%、Bが15%同時に下がると仮定すると、Aは39万円、Bは34万円で、合計73万円になります。

損失は27万円です。追加投資や引出しはなく、税金、費用、分配金などは除いています。二つの資産の種類を実在商品へ対応させておらず、下落率も同時に下がる関係も、この例で置いた条件です。

分散すれば損失が必ず消えるとは限らないことを考える計算であり、分散に意味がないという結論ではありません。また、このように事前に想像したシナリオを、次の黒鳥を特定した予測と呼ぶこともできません。

結果の金額から、資金の使い道へ戻る

仮の下落後の金額が分かっても、本人にとって耐えられるかは別です。支払いが近く、保有資産を売らなければ現金が足りないなら、回復を待つ計画は成り立たない場合があります。

保有先を分けることに加え、借入、同じ収益源への依存、換金が難しくなる条件、近く使う現金を並べます。証券の名前が違っても、共通の資金調達や顧客へ依存していれば、同じ環境の変化が届く可能性があります。

2012年のTalebらの研究も、ショックの大きさだけでなく、モデルの誤りや損失が膨らむ仕組みを考える必要性を論じています。ここでは一般的な論点を参照し、論文の銀行や国の計算を個人へ移したものではありません。

想定を少し変えても、計画が持つかを調べる

一つの下落率で大丈夫だったから、どんな場合も安全だとは言えません。下落が長引く、換金が遅れる、収入が減るなど、前提が変わった時に必要な対応がどこで増えるかを読みます。

計算結果は置いた条件への答えです。分からない出来事の発生確率まで埋めようとせず、借入や支払期限など、予想を外した時に選択肢を狭める条件を先に確かめることが、この仮例の使い方です。

出典