オフィスの住所だけでは足りない
同じビルには複数の企業が入居し、共有会議室や受付を使う場合があります。さらに、来訪者が商談を行うこともあります。建物が有名でも、面談相手の所属と契約相手は自動的につながりません。
法人登記の住所が立派でも、事業実態、支払能力、金融商品の登録までは証明しません。
商談で混同しやすい五者
- 建物を所有・管理する会社
- その住所へ入居する会社
- 会議室を予約した人
- 契約書に署名する法人
- 代金を受け取る口座名義人
通常の取引でも五者が完全に同じとは限りません。違う場合に、関係と権限を説明できる書面があるかが問題です。
お金の線をたどる
見積書、契約書、請求書、口座名義の会社名を並べます。違う法人へ送るなら、なぜその会社が受領するのか、契約上の根拠を確認します。個人口座や、直前に変更された口座への送金は止めます。
投資勧誘なら、契約法人が金融庁のどの登録を持つかも確認します。法人番号があるだけでは、金融商品を勧誘する資格の証明になりません。
公式窓口は自分で探す
名刺記載の番号、メール署名のリンク、相手が見せた検索結果だけでは、確認が相手の管理下に残ります。公式サイトを自分で開き、代表番号へ問い合わせます。実在企業との取引を主張するなら、その企業側にも案件と担当者を確認します。
急かされた場合ほど送金しません。不審なら資料とやり取りを保存し、188または#9110へ相談します。
まとめ
一流企業のオフィスは、契約内容や相手の権限を保証しません。建物、入居者、面談者、契約法人、振込先を別々の項目として確認し、関係を説明する証拠を求めます。「場所=信用」という近道を使わず、お金と契約の線をたどることが防止策です。
出典
- 警察庁「高齢者の犯罪被害対策―バーチャルオフィス等の悪用」
- 金融庁「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」(2026年8月9日確認)
- 国税庁「法人番号公表サイト」
- 政府広報オンライン「相談窓口 #9110・188」