最初に確認するのは「海外から売買できるか」
国内証券会社の多くは、非居住者の新規買付けを制限しています。会社によっては売却もできず、残高確認や出金だけに限られます。ウェブサイトへログインできたとしても、それは注文が規約上認められていることを意味しません。
海外転居を届けずに取引したり、VPNで国内からの接続に見せかけたりすると、口座制限や税務上の問題は解消せず、規約違反やセキュリティ事故につながるおそれがあります。まず出国を届け、許可された機能だけを使います。
取引が認められる場合の時差対策
東京証券取引所の現物株は、日本時間の9時~11時30分、12時30分~15時30分に売買されます。注文受付は前場が8時から、後場が12時5分からです。
赴任地の夏時間も含めて日本時間へ換算し、注文の有効期限を確認します。値段を指定しない成行注文は、ニュース後や流動性が低い銘柄で想定外の価格になることがあります。画面を見続けられない環境では、価格を指定する指値注文が選択肢になりますが、約定しない可能性もあります。
決算発表や重要開示の時刻も日本時間です。注文を出したまま就寝するなら、決算日、権利付き最終日、注文期限を事前に確認しましょう。
入出金は「本人名義」と対応金融機関を確認
証券口座への振込は、証券口座と同じ名義が原則です。海外銀行からの直接送金を受け付けない会社もあり、国内銀行を経由すれば必ず利用できるわけでもありません。送金元、通貨、手数料、着金名義、マネーロンダリング対策の確認が必要です。
「マルチカレンシー口座があれば取引できる」とは限りません。銀行側が海外居住者の口座維持を認めても、証券会社側の非居住者規定は別に適用されます。
ログインとセキュリティ
- 証券会社が案内する認証アプリや多要素認証を使う
- 登録電話番号でSMSを受け取れるか出国前に確認する
- 公共Wi-Fiでの注文を避け、端末とアプリを更新する
- 現地で利用できない機能や国別制限を事前に確認する
- 不審なログイン通知があれば公式窓口へ連絡する
海外取引の実務は、時差よりも「その取引が許可されているか」が先です。口座維持、注文、入出金、認証を別々に確認してください。
※取引時間・各社の取扱いは2026年8月11日時点で確認しています。
出典
- 日本取引所グループ「売買立会時(立会時間)」
- SBI証券「海外に行くことになりました。取引は継続できますか?」
- 楽天証券「海外出国のお手続き」
- 楽天証券「銀行振込による入金」
- マネックス証券「ご利用にあたってのお願い」