発行市場と流通取引 会社から投資家へ、投資家から投資家へ 発行市場 会社 → 投資家 新しい株式・債券を発行 資金は会社などの発行者へ 流通取引 投資家 → 投資家 すでに発行された証券を売買 資金は通常、売り手へ 流通取引があると、保有証券を売却しやすくなる kabutrack.com

まず結論

流通取引とは、すでに発行されている株式や債券などを、投資家同士で売買することです。たとえば、証券会社の画面から上場株を買うときは、会社から直接買うのではなく、別の投資家が売りに出した株式を買っている場合があります。

この取引が行われる市場を「流通市場」と呼びます。JPXによると、流通市場には証券取引所で行う取引所取引だけでなく、証券会社の店頭で行う店頭取引も含まれます。

発行市場との違い

比較項目発行市場流通市場・流通取引
取引の対象新しく発行される証券すでに発行された証券
主な当事者発行者と投資家投資家と投資家
代金の行き先会社や国などの発行者通常は売り手の投資家
目的資金調達売買、換金、価格形成
別名プライマリーセカンダリー

発行市場で会社が新株を発行すると、会社に資金が入り、株式数が増えることがあります。流通取引では、既存株式の持ち主が変わるだけなので、その売買代金が会社の新しい資金になるわけではありません。

具体例

Aさんが上場会社の株式を100株持っていて、売却注文を出したとします。Bさんの買い注文と条件が合えば、株式はAさんからBさんへ移り、代金はBさんからAさんへ渡ります。会社はその売買のたびに資金を受け取るわけではありません。

それでも流通取引は、株式市場に欠かせません。売りたい人が売れる見込みがあるからこそ、投資家は発行市場で新しく発行された証券を買いやすくなります。JPXも、発行市場と流通市場が結びつくことで、資金の効率的な配分に役立つと説明しています。

流通取引の役割と限界

流通取引には、主に3つの役割があります。

  • 保有している証券を現金化する機会をつくる
  • 売買注文を通じて価格を形成する
  • 新しく発行される証券への投資を後押しする

ただし、流通市場があるからといって、必ず希望価格で売れるわけではありません。買い手が少ない銘柄では、価格が大きく動いたり、注文が成立しにくくなったりします。手数料や税金、取引時間などの条件もあります。

未上場株式の流通取引では、さらに注意が必要です。証券取引所の注文板がないため、会社の承認や譲渡制限、相手方、価格の根拠、名義書換えの手続きを確認します。株主コミュニティなど、制度に沿った取引でも、上場株のようにいつでも売買できるとは限りません。

セカンダリー取引との関係

「セカンダリー取引」は、流通取引や流通市場での売買を指す言葉として使われます。上場株を取引所で売買する場合にも、未上場株式を既存株主から買う場合にも使われます。

ただし、IPOセカンダリーのように「上場後の株を買う投資」を指すこともあります。記事やサービスの説明を読むときは、上場株の取引なのか、未上場株式の譲渡なのかを確認すると、流動性や情報量の違いを取り違えにくくなります。

まとめ

流通取引は、すでに発行された株式や債券などを投資家同士で売買することです。発行市場が資金調達の場であるのに対し、流通取引は換金、価格形成、証券の持ち主の交代を担います。

「株を買うと会社にお金が入る」とは限らない点が、初心者がつまずきやすいところです。上場株か未上場株か、取引所取引か店頭取引かを分けて考えると、資金の流れとリスクを整理しやすくなります。

出典

※市場の定義や役割は、2026年8月22日時点で確認できる公式資料に基づいています。個別商品の取引条件は、証券会社や発行者の最新資料を確認してください。

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