売上は減少も利益は大幅増

第1四半期の業績は以下の通りです。

  • 売上高:5,178億円(前年同期比9.5%減)
  • 営業利益:1,425億円(同150.5%増)
  • 経常利益:2,061億円(同115.1%増)
  • 純利益:1,474億円(同53.5%増)

売上は前年を下回りましたが、営業利益率は約27.5%まで上昇しました。

前年同期の営業利益率は約10%だったため、大幅な改善となっています。

Switch 2が順調なスタート

決算で最も注目されたのはNintendo Switch 2の販売状況です。

第1四半期だけでハード販売は382万台を記録。ソフト販売も946万本と好調でした。

一方、旧Switchも66万台を販売しており、新旧ハードの両輪で販売を維持しています。

さらに旧Switch向けソフトは3,381万本販売されており、後方互換により既存タイトルの販売も引き続き堅調でした。

デジタル売上とIP事業も好調

デジタル売上は1,327億円となり、前年同期比90%増。

ダウンロード販売比率の上昇は利益率改善にも大きく貢献しています。

またIP関連収入は348億円と前年同期比107%増。

映画『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』のヒットなどが業績を押し上げました。

ゲーム販売だけでなく、キャラクタービジネスの収益力も高まっていることが確認できます。

営業利益急増の背景

営業利益が2.5倍となった理由は複数あります。

まず、ソフトウェア販売比率が上昇し、高採算のデジタル販売が拡大したこと。

さらに、売上原価として計上していた米国IEEPAに基づく関税の還付を受けたことで原価が押し下げられました。

つまり、今回の利益改善には事業の収益性向上に加え、一時的なプラス要因も含まれています。

通期予想は据え置き

会社は通期予想を変更していません。

  • 売上高:2兆500億円
  • 営業利益:3,700億円
  • 純利益:3,100億円

いずれも前回予想を据え置きました。

第1四半期だけを見ると営業利益は通期計画の約39%を達成していますが、会社側は年末商戦や新作ソフト投入時期などを考慮し、慎重な見通しを維持しています。

財務は引き続き盤石

総資産は約3.8兆円、自己資本比率は76.5%と極めて高水準です。

現金・預金は約1.54兆円を保有しており、世界でも屈指の財務体質を維持しています。

大型投資や株主還元にも十分対応できる財務基盤といえるでしょう。

今後の注目ポイント

任天堂は今後、

  • 『スプラトゥーン レイダース』
  • 『ファイアーエムブレム 万紫千紅』
  • 『Nintendo Switch Sports Resort』
  • 『ゼルダの伝説 時のオカリナ』

など大型タイトルを順次投入する予定です。

Switch 2の普及が続けば、ソフト販売本数の拡大によって利益率はさらに改善する可能性があります。

総合評価

今回の決算は「売上以上に利益の質が改善した決算」と評価できます。

売上は前年同期を下回りましたが、Switch 2の順調な立ち上がり、高収益なデジタル販売の拡大、IP事業の成長によって営業利益は市場予想以上のインパクトとなりました。

一方で、関税還付という一時的な利益押し上げ要因も含まれているため、この利益水準がそのまま継続するかは慎重に見極める必要があります。

今後はSwitch 2の販売ペース、新作ソフトのヒット状況、年末商戦での勢いが株価を左右する最大のポイントとなるでしょう。

総合評価:★★★★☆(4.5/5.0)

利益面では非常に強い内容でしたが、一部に一時要因も含まれるため、次四半期以降も高い収益性を維持できるかが注目されます。