今日の見方
8月7日の米国市場では、NASDAQ総合が342.26ポイント高の2万6,690.62、前日比1.3%上昇しました。AI・ハイテク株への買い戻しは、日本の半導体株に追い風です。Brent原油も1.3%高の1バレル83.55ドルとなり、エネルギー株や資源権益を持つ商社には支援材料になります。
ただし、米国の7月非農業部門雇用者数は2万3,000人減でした。金利上昇への警戒を弱める半面、景気減速を示す数字でもあります。本日は「指数が上がるか」だけでなく、寄り付き後も各業種の買いが続くかを見ます。
注目業種・銘柄
1. 半導体|米ハイテク株高を引き継げるか
アドバンテスト(6857)
2027年3月期第1四半期は売上高3,674.73億円(前年同期比39.3%増)、営業利益1,899.90億円(53.3%増)。AI半導体テスター需要を背景に、高い利益成長が続いています。
投資家が見る点: 好業績への期待はすでに高く、寄り付き直後の上昇率より、出来高を伴って高値を維持できるかを確認します。利益確定売りが出る場合は、半導体全体の弱さと混同しないことが大切です。
東京エレクトロン(8035)
2027年3月期第1四半期は売上高7,323.88億円(33.3%増)、営業利益2,114.07億円(46.1%増)。会社は上期予想を引き上げ、営業利益率も28.9%へ改善しました。
投資家が見る点: 台湾・韓国のAI向け投資とHBM関連需要が支えです。中国向け需要の持続性や在庫増加が警戒されるため、アドバンテストと同時に上がるかでセクターの広がりを見ます。
ディスコ(6146)
2027年3月期第1四半期は売上高1,143.08億円(27.1%増)、営業利益490.33億円(42.2%増)。先端ロジックやHBM向けの高性能半導体需要が、高付加価値製品の出荷を支えました。
投資家が見る点: 営業利益率42.9%を評価する買いが続くかが焦点です。値がさ3社がそろって高ければ半導体主導、1社だけなら個別材料主導と判断しやすくなります。
Apple、中国向け製品でCXMT製DRAMを試験との報道
複数の海外報道によると、Appleは中国市場向けのiPhoneやMacBookを含む製品で、長鑫存儲技術(CXMT)のDRAMを評価試験しています。現時点でAppleとCXMTから量産採用、調達数量、対象機種、導入時期の公式発表は確認できません。
投資家が見る点: 試験がそのまま採用を意味するわけではありません。ただ、品質認証を通過すれば、Samsung Electronics、SK hynix、Micronが寡占するDRAM市場で中国勢が大口顧客の選択肢に入る転機です。日本株では中国向け半導体製造装置需要への期待と輸出規制リスクを分けて見ます。キオクシアHD(285A)はNANDが中核であり、CXMTのDRAMとは直接の代替関係ではありません。
2. 資源・エネルギー|原油高と直近決算を評価できるか
INPEX(1605)
2026年12月期中間決算は売上高10,004.95億円(4.6%減)ながら、営業利益6,187.13億円(0.3%増)、純利益2,631.47億円(17.7%増)。通期純利益計画への進捗率は51.6%です。
投資家が見る点: Brent原油高は追い風ですが、原油価格だけでなく為替と生産量も利益を動かします。決算直後でもあり、寄り付き高から売られずに推移できるかを見ます。
ENEOSホールディングス(5020)
2027年3月期第1四半期は売上高3兆4,078.31億円(18.7%増)、営業利益4,825.96億円(前年同期の約9.6倍)、純利益4,670.88億円で黒字転換しました。
投資家が見る点: 数字は強いものの、在庫影響などを含む利益の質を分けて読む必要があります。原油上昇と好決算の二つを材料に買われても、通期計画を超える利益がそのまま持続するとは限りません。
JX金属(5016)
2027年3月期第1四半期は売上高2,606.04億円(36.2%増)、営業利益814.46億円(175.5%増)、純利益530.70億円(181.3%増)。営業利益の通期計画に対する進捗率は35.1%です。
投資家が見る点: 資源株であると同時に、先端半導体材料の側面を持つ銘柄です。銅市況だけでなく半導体材料株として買われるか、営業利益率31.3%の持続性を市場がどう評価するかを見ます。
3. 総合商社|資源高に直近の好決算が重なる
三菱商事(8058)
2027年3月期第1四半期は売上高5兆1,809.99億円(22.8%増)、営業利益3,880.09億円(53.4%増)、純利益2,985.24億円(47.0%増)でした。
投資家が見る点: 資源価格上昇は支援材料ですが、商社株は資源だけでは決まりません。非資源利益、投資案件の売却益、キャッシュ・フローを含む決算の質が再評価されるかを確認します。
三井物産(8031)
2027年3月期第1四半期は収益4兆3,475.65億円(31.7%増)、親会社所有者帰属利益2,940.52億円(53.4%増)。通期利益計画への進捗率は32.0%でした。
投資家が見る点: 基礎営業キャッシュ・フローは2,809億円でした。一部に評価・資産リサイクル益を含むため、原油高だけでなく、本業キャッシュ創出への評価が続くかを見ます。
丸紅(8002)
2027年3月期第1四半期は売上高2兆6,092.25億円(20.6%増)、営業利益1,321.25億円(54.7%増)、純利益1,864.32億円(20.7%増)でした。
投資家が見る点: 金属・エネルギーに加え、食料や電力など事業分散が特徴です。資源高だけでなく商社全体への資金流入が起きるなら、三菱商事・三井物産とそろって上昇しやすくなります。
半導体でレーザーテックだけは別枠
レーザーテック(6920)は8月7日に決算を受けて13.55%下落しました。米半導体株高による自律反発は考えられますが、会社予想への期待値調整が残ります。半導体株が上昇しても、レーザーテックが同じ強さで戻るとは限りません。
寄り付き後に確認する5項目
- アドバンテスト・東京エレクトロン・ディスコがそろって高いか
- INPEX・ENEOSが原油高を受けても寄り天にならないか
- 商社株の上昇が三菱商事だけでなく三井物産・丸紅へ広がるか
- 日経平均だけでなくTOPIXと値上がり銘柄数も増えているか
- 翌8月11日の山の日休場を前に、後場で利益確定売りが強まらないか
まとめ
8月10日は、半導体・資源・商社が相対的に買われやすい材料を持っています。中心は米NASDAQ高を受ける半導体、次いで原油高と好決算が重なる資源・商社です。ただ、上昇期待はあくまで寄り付き前の条件整理。朝高後に失速する銘柄も出やすく、業種内で複数銘柄へ買いが広がるかを確認したい日です。
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出典
- 米国労働統計局「The Employment Situation - July 2026」、2026年8月7日
- 各社が開示した直近の決算短信・決算説明資料
- NASDAQ Composite Historical Data
- ICE Brent Crude Futures
- 米国労働統計局 Employment Situation Summary
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