今日の見方
今回の行政処分で重要なのは、単純な担当者の確認ミスではなく、与信判断を支えるシステムの不備が複数の貸金業法違反につながったとLINE Credit自身が説明している点です。
一部顧客では、必要な収入証明書類を取得できていなかったほか、過剰貸付けとなる極度方式基本契約を締結していました。さらに、既存契約について必要となる信用情報を用いた調査が適切に行われていないケースもありました。
行政処分そのものに加え、今後はシステム開発時の法令チェックと、稼働後に異常を検知するモニタリングが実際に機能するかが重要になります。
注目ニュース
1. LINE Creditに3種類の違反を理由として業務改善命令
LINE Creditは2026年8月18日、東京都から業務改善命令を受けたと発表しました。
確認された違反は次の3点です。
- 返済能力の調査義務違反
- 過剰貸付け等の禁止違反
- 基準額超過極度方式基本契約に係る調査義務違反
貸金業者は顧客の返済能力を調査し、一定の場合には信用情報の確認や収入証明書類の取得が必要です。また、返済能力を超えると認められる個人過剰貸付契約を締結することはできません。
しかしLINE Creditでは、システムの不備により、一部顧客から必要な収入証明書類を取得せず、過剰貸付けに該当する極度方式基本契約を締結していました。
投資家・利用者が見る点: 今回は単発の入力ミスではなく、審査システムそのものが法令上必要な判断を正しく処理できなかったことがポイントです。
2. 既存契約の継続調査でもシステム不備
貸金業法では、極度方式基本契約を締結している顧客について一定条件に該当した場合、信用情報を使った調査や収入証明書類の取得が必要になります。
今回、一部顧客についてシステムの不備により信用情報を用いた調査が適切に行われず、必要な収入証明書類も取得されていませんでした。
つまり、新規契約時だけでなく、契約後の継続的な与信管理にも問題が及んでいたことになります。
3. 改善命令はシステムと管理態勢の3本柱
東京都の業務改善命令では、与信判断に使用するシステムについて、法令違反の再発を防ぐための態勢整備が求められています。
具体的には、
- 法令遵守を確保するためのシステム開発態勢
- システム上の不備や法令違反のおそれを早期に把握するモニタリング態勢
- これらを機能させる経営管理態勢・業務運営態勢
の強化です。
LINE Creditは、問題確認後にシステム不具合を解消し、類似事案の調査を実施したと説明しています。さらに、システム開発態勢の見直し、継続的なモニタリング、経営管理・ガバナンス態勢の強化を進めています。
確認しておきたい日程
| 日付 | 注視ポイント |
|---|---|
| 2026-08-18 | 東京都によるLINE Creditへの業務改善命令 |
| 2026-08-18 | LINE Creditが行政処分と再発防止策を公表 |
| 今後 | システム開発態勢・モニタリング・ガバナンス改善の実効性 |
今回確認したLINE Creditの発表では、業務改善命令に伴う業務停止は記載されていません。業務改善命令と業務停止命令は別の行政処分なので、混同しないことが重要です。