日銀・8月マネーストック速報 2026年9月9日 注目1件 M2は前年同月比2.0%増、M3は1.2%増、広義流動性は4.4%増。 2026.09.09 / 注目1件 日銀・8月マネーストック M2の伸びは2.0%、広義流動性は4.4% 残高は兆円単位の概数。総量と構成項目、次回会合を分けて確認 M2・平均残高 +2.0% 1,296.4兆円 M3・平均残高 +1.2% 1,640.0兆円 広義流動性 +4.4% 2,342.7兆円 通貨・預金の動きと広義流動性を切り分ける kabutrack.com

今日の見方

今回の焦点は、M2が前年同月比2.0%増となったことと、7月改定値から伸び率が小幅に鈍化したことです。マネーストックは景気や物価を判断する一つの指標ですが、これだけで個人消費や企業投資の強弱を確定する統計ではありません。日銀も、統計の定義や対象範囲には注意が必要と説明しています。

M2より広い範囲を含むM3は1.2%増、広義流動性は4.4%増でした。両者の伸び率に差があるため、金融資産全体の動きを見るときは、M2の預金・現金の動きと、広義流動性に含まれるその他の項目を混同しないことが大切です。広義流動性の伸びを、そのまま株式市場への資金流入と読むこともできません。

銀行株や金利敏感株では、マネーストックだけでなく、前日に公表された8月の貸出・預金動向と合わせます。貸出の量、預金の伸び、預金金利や貸出金利の変化はそれぞれ別の材料です。マネーストックの伸びが続いていても、金融機関の利益や株価への影響は、利ざや・信用コスト・資金需要によって異なります。

今回の主要指標は次の通りです。いずれも日銀が公表する平均残高(平残)の前年同月比であり、月末時点の残高の増減や、株式市場へ流入した金額を示す数字ではありません。

指標8月平均残高前年同月比7月改定値
M21,296兆3,895億円2.0%増2.1%増
M31,639兆9,878億円1.2%増1.3%増
広義流動性2,342兆7,480億円4.4%増4.5%増

マネーストックの伸びが上向いたから金融緩和、低下したから金融引き締めと機械的に判断することもできません。金融機関の貸出姿勢、家計・企業の資金需要、物価上昇率、金利水準などが同時に動くためです。9月の政策決定会合では、今回の速報を単独の材料にせず、日銀が示す経済・物価の見通しと市場金利の反応を確認します。

7月改定値から8月にかけて、M2・M3・広義流動性はいずれも伸び率が0.1ポイント低下しました。M1は0.2%増から0.1%減へ、預金通貨は0.3%増から0.1%増へ変化しています。1か月の差だけで基調を決めつけず、今後の速報で同じ動きが続くかを追います。

なお、速報は後日訂正される可能性があります。

注目ニュース

1. M2の平均残高は1,296兆3,895億円、前年同月比2.0%増

日銀が9月9日8時50分に公表した8月速報で、M2の平均残高は1,296兆3,895億円、前年同月比2.0%増でした。7月改定値は2.1%増だったため、伸び率は0.1ポイント低下しました。季節調整済み前月比年率は1.3%増で、7月改定値の1.6%増を下回っています。M2は現金通貨と国内銀行などの預金を中心に構成される代表的なマネーストック指標です。

投資家が見る点: M2は増加を続けていますが、伸び率だけでは資金が消費・設備投資・預金のどこへ向かったかは分かりません。国内景気を読む際は、実質賃金、消費、企業向け貸出などの実体経済データと照合します。

2. M3は1.2%増、広義流動性は4.4%増

8月のM3平均残高は1,639兆9,878億円で、前年同月比1.2%増でした。広義流動性は2,342兆7,480億円、4.4%増となっています。広義流動性の内訳では、投資信託が13.9%増、国債が18.5%増でした。これらはいずれも平残ベースの前年同月比です。7月はM3が1.3%増、広義流動性が4.5%増で、いずれも伸び率が0.1ポイント低下しました。

投資家が見る点: 広義流動性はM3とその他の金融商品などを含む広い概念です。M2との差を根拠に株式や投資信託への資金流入を断定せず、内訳や資金循環統計を確認して、金融資産の動きを段階的に読み取ります。

3. 現金通貨は減少、預金通貨は横ばい圏

構成項目では、現金通貨が前年同月比1.3%減、預金通貨が0.1%増、準通貨が4.4%増、譲渡性預金(CD)が8.0%減でした。M1は0.1%減となり、現金通貨と預金通貨を合わせた狭い範囲のマネーは前年同月を下回っています。いずれも平残ベースの前年同月比です。

投資家が見る点: 準通貨の伸びと現金・預金の伸びは同じ意味を持ちません。家計や企業の資金保有の変化を判断する際は、マネーストックの定義に加えて、銀行貸出、預金金利、物価・賃金の動きを分けて確認します。統計の一部だけで金融緩和・引き締めの効果を結論づけるのは避けます。

確認しておきたい日程

日時(日本時間)確認事項
2026年9月17~18日日本銀行・金融政策決定会合
2026年9月17日 8:50日銀・資金循環統計速報(2026年4~6月期)
2026年9月28日 8:50日銀・企業向けサービス価格指数(8月)

発表時刻や日程は変更される場合があるため、当日は各機関の公表予定で再確認します。

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出典