今日の見方
見出しの6.4%増は目を引きますが、推計誤差を含めると統計上、前月から増えたと確認できる結果ではありません。センサス局は新築住宅販売の季節調整値について、傾向の判断には4か月かかると説明しています。今月は「販売が急回復した」と読むより、在庫が横ばいのなかで販売の増加が続くかを次回以降も確かめる材料です。
販売は年率換算68万4,000戸
8月の販売件数は年率換算68万4,000戸で、7月の改定値64万3,000戸を6.4%上回りました。一方、前年同月の69万8,000戸と比べると2.0%減です。前月比・前年比とも90%信頼区間がゼロを含むため、いずれの変化も統計的に有意ではありません。
在庫は前月と同じ48万3,000戸
8月末の販売在庫は季節調整済みで48万3,000戸と、7月から変わりませんでした。販売ペースに対する在庫月数は8.5か月で、7月の9.0か月から低下しています。これは販売が増えたことによる計算上の変化も含むため、在庫の減少や需給改善と単純化しない見方が必要です。
中央値は前年同月比5.8%低下
8月の新築住宅販売価格の中央値は39万3,700ドルで、前年同月の41万7,900ドルを5.8%下回りました。前月比では0.4%上昇していますが、どちらの変化も90%信頼区間がゼロを含みます。平均販売価格は47万8,700ドルで、前月比9.1%、前年同月比8.8%下落しました。中央値・平均値とも、販売された住宅の地域や広さなど構成の変化にも左右され、同じ住宅の価格変化をそのまま表すものではありません。
投資家が見る点
米国の住宅販売は、住宅ローン金利に影響を受ける需要や、住宅建設・建材関連の事業環境を読む一つの指標です。ただし今回の月次変化には大きな不確実性があり、単独で金利見通しや関連株の方向を決める材料にはなりにくい結果です。
日本株への影響は、米長期金利や為替、海外景気への見方を介した間接的なものです。住宅設備・建材・建設機械など米国売上比率の高い企業では、受注数量と採算を分けて確認したいところです。米金利の反応を見る際も、この統計だけでなく、住宅ローン金利や住宅着工など他の指標と合わせて読む必要があります。