記事の図解

給与所得者5,163万人、平均給与は487万円

国税庁の「令和7年分 民間給与実態統計調査」によると、2025年中に1年を通じて勤務した給与所得者は5,163万人でした。

平均給与は487万円で、前年より1.9%増加しました。

ここで注意したいのは、「給与所得者5,163万人」は1年を通じて勤務した人の人数であることです。

年の途中で就職・退職した人などを含む給与所得者全体とは対象が異なります。

最多は300万円超400万円以下

給与階級別では、300万円超400万円以下が799万人、15.5%で最も多くなっています。

次いで400万円超500万円以下が792万人、15.3%です。

年収階級構成比
100万円以下7.2%
100〜200万円11.3%
200〜300万円13.1%
300〜400万円15.5%
400〜500万円15.3%
500〜600万円11.9%
600〜700万円7.8%
700〜800万円5.4%
800〜900万円3.6%
900〜1,000万円2.5%
1,000〜1,500万円4.7%
1,500〜2,000万円1.2%
2,000〜2,500万円0.3%
2,500万円超0.4%

表の各階級は、下限を超え上限以下の区分です(「100万円以下」「2,500万円超」を除く)。構成比は丸めた公表値のため、合計が100%と一致しない場合があります。

300万円超500万円以下の2階級を合わせると30.8%です。

平均給与487万円だけを見るより、給与所得者の約3割が300〜500万円に集まっていることを見る方が、分布の実態をつかみやすくなります。

平均487万円=典型的な年収ではない

平均値は、高い給与を得ている人の影響を受けます。

そのため「平均給与487万円」を、そのまま「一般的な会社員の年収」と考えることはできません。

今回の統計では最も人数が多い階級は300万円台です。

平均値と給与階級別の人数を併せて読むと、この違いが分かります。

男性597万円、女性342万円

男女別の平均給与にも大きな差があります。

  • 男性:597万円
  • 女性:342万円

雇用形態では、

  • 正社員:559万円
  • 正社員以外:210万円

でした。

平均給与という一つの数字の中に、性別、雇用形態、年齢、業種などによる大きな違いが含まれています。

業種別では最大578万円の差

業種別平均給与で最も高かったのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の854万円でした。

次いで、

  • 金融業・保険業:725万円
  • 情報通信業:681万円

となっています。

一方、宿泊業・飲食サービス業は276万円でした。

最も高い業種と低い業種では578万円の差があります。

人手不足や最低賃金上昇の影響を考える際にも、給与水準は業種によって大きく異なることを前提に見る必要があります。

800万円超は12.6%

給与階級を合計すると、年収800万円超の給与所得者は全体の12.6%です。

一方で、800万円以下は87.4%を占めます。

「年収800万円」は給与所得者全体で見ると上位側に位置することが分かります。

年収800万円超が所得税の71.4%

今回の統計で特徴的なのが、給与階級と所得税負担の関係です。

年収800万円超の給与所得者は全体の12.6%ですが、源泉徴収された所得税額では71.4%を占めました。

所得税は累進課税で、所得が増えるほど高い税率が適用される仕組みです。

人数の分布と税負担の分布は大きく異なります。

所得税を納めた人は4,175万人

1年を通じて勤務した給与所得者5,163万人のうち、源泉徴収で所得税を納めた人は4,175万人でした。

割合は80.9%です。

給与所得者全員が所得税を負担しているわけではなく、給与額や各種所得控除などによって税額は変わります。

給与総額は増えている

平均給与だけでなく、給与総額も増加しています。

賃上げ、人手不足、最低賃金引き上げなどを背景に、名目賃金は上向いています。

ただし、生活実感を見るには給与の伸びだけでは足りません。

消費者物価が同時に上昇していれば、名目給与が増えても実際に購入できるモノやサービスが同じように増えるとは限らないためです。

生活実感との比較には、実質賃金や消費者物価指数(CPI)も手掛かりになります。

日本株では何を見る?

給与上昇は企業にとって二つの面があります。

家計所得が増えれば、消費拡大を通じて小売、外食、旅行、サービスなどの売上を支える可能性があります。

一方、人件費上昇は企業のコスト増になります。

特に人件費比率が高い企業では、

  • 賃上げ率
  • 人件費率
  • 客単価
  • 価格転嫁
  • 省人化投資
  • 営業利益率

を見る必要があります。

給与が上がって消費も増えるのか、それとも物価上昇や社会保険料負担によって可処分所得が伸びにくいのかで、内需企業の売上への波及は変わります。

平均と分布を併せて読む

平均給与は給与総額の規模を捉える指標、階級別の人数は所得がどこに集中しているかを捉える指標です。内需を考える際は、この分布に物価と雇用者数の変化を重ねると、平均値だけでは見えない購買力の差を追えます。

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出典