2026年10月11日 来週の日本株見通し

来週の3行予測

  • 週前半は、連休中の海外市場の動きと米金融政策をめぐる見方が、東京市場の寄り付きに反映される。
  • 14日の米CPIと5年国債入札、15日の米PPIが、国内外の金利や景気敏感株の見方を左右する。
  • イオン、SHIFT、東宝などの決算では、売上高の伸びだけでなく、利益率や会社計画、費用動向が評価を分ける。

① 連休明けの日本株シナリオ

来週は、指数の特定水準よりも、物価指標や入札を受けた金利の動きと、企業決算への個別反応を軸に見る。

シナリオ条件想定される展開
基本米物価指標と国債入札が大きな金利変動につながらない決算内容を手掛かりにした銘柄選別が続く
強気米物価指標を受けて金利上昇圧力が和らぎ、会社計画を上回る決算が広がる成長株や業績上振れ銘柄に買いが広がる可能性
弱気米物価指標を受けて金利上昇が強まり、企業の利益見通しにも慎重さが出る高い成長期待を織り込んだ銘柄を中心に利益確定が出る可能性

いずれも条件付きの見方で、値動きを予測するものではない。市場全体の方向は、物価指標への反応と決算後の売買を見て判断する局面となる。

② 米国市場と半導体株

連休中の海外市場は、13日の東京市場が始まるまでに公表される情報として意識される。特に米国のインフレ指標が金利見通しにどう影響するかが、成長株や半導体関連株の材料となる。

半導体関連では米金利の変化に加え、主要企業の決算・業績見通しや受注動向が材料となる。米国株全体の動きだけで日本の半導体関連株の方向を決めつけず、各社の開示と個別の需給を分けて捉えたい。

③ 為替・日米金利・資源価格

米CPI・PPIは、米国の金利見通しや為替の変動を通じて日本株にも影響しうる。結果の数値だけでなく、発表後の金利・為替の反応と市場の受け止め方が焦点となる。

国内では14日に5年利付国債の入札が予定されている。入札結果やその後の金利変化は、金融機関や金利に敏感な企業の評価材料となる。銀行・保険では運用環境の変化と保有債券の評価、借入負担の大きい企業では調達コストの両面を考慮したい。

原油や為替の方向を特定の価格で示すことは避ける。円相場や資源価格が変動すれば、輸出企業の採算、輸入コスト、燃料費への影響は業種や企業ごとに異なる。各社の価格転嫁力や為替前提も決算資料で確認したい。

④ 来週の重要経済指標・中央銀行イベント

日付・時刻イベント注目点
10月12日(月)スポーツの日国内市場は祝日で休場
10月13日(火)東京市場が連休明け連休中の海外市場の動きを反映
10月14日(水)財務省・5年利付国債入札入札結果と国内金利の反応
10月14日(水)21:30米9月CPI・実質賃金米金利、為替、成長株の反応
10月14日(水)米国時間FRBベージュブック地区連銀の景況・物価認識
10月15日(木)21:30米9月PPI企業段階の物価動向と金利見通し
10月16日(金)21:30米9月輸出入物価指数輸入物価の動向
10月16日(金)22:15米9月鉱工業生産・設備稼働率製造業の活動状況

時刻は日本時間。米国の公表時刻は米労働統計局およびFRBの予定表に基づく。予定は変更される場合がある。

⑤ 来週の主要決算予定

発表予定日企業コード主な確認材料
10月13日イオン8267既存店、客数・客単価、商品粗利、物流費
10月13日タマホーム1419受注・引渡棟数、住宅事業の粗利、営業キャッシュフロー
10月14日トレジャー・ファクトリー3093既存店、粗利、在庫回転
10月14日ウイングアーク1st4432継続収入、クラウド事業、利益率
10月15日SHIFT3697次期計画、稼働率、人件費、営業利益率
10月15日東宝9602映画・配給、映像ライセンス、演劇、不動産
10月16日サンケイリアルエステート投資法人2972稼働率、賃料、借入金利、分配金

決算予定は各社IRカレンダーをもとにしたもの。日程変更の可能性がある。通期決算では次期計画や株主還元、四半期決算では通期計画に対する進捗と利益率が主な比較点となる。前年同期比だけでなく、会社計画と費用の変化を合わせて評価したい。

⑥ 株主還元・需給イベント

井関農機(6310)は10月9日、33万株・5億円を上限とする自己株式取得を決議した。取得期間は11月16日から2027年1月29日までで、来週から買い付けが始まる案件ではない。株式売出しも伴うため、取得枠だけで需給を判断せず、売出しを含む開示全体を確認する必要がある。

古野電気(6814)とローツェ(6323)は、通期業績や配当予想を上方修正している。来週は発表後の株価反応に加え、修正を支えた事業の動きが続くかが注目点となる。

⑦ 業種別の注目点

業種来週の見方主な確認材料
半導体金利と個別業績を見極める局面米金利、受注、会社計画
銀行・保険金利変化の影響を見極める運用利回り、保有債券、調達環境
資源資源価格の変動を受けやすい価格前提、為替、地政学要因
自動車・機械為替と需要の両面に注目為替前提、販売動向、部材費
空運・物流燃料費と為替が費用に影響燃料調達、運賃、価格転嫁
小売・内需決算で企業ごとの差が出やすい客数、客単価、粗利、人件費

業種全体の優劣を決めつける材料は限られる。来週は金利・為替への感応度に加え、各社が示す利益計画と費用動向を比べる。

⑧ 来週の注目銘柄

  • イオン(8267):13日に第2四半期決算を発表予定。既存店の売上だけでなく、商品粗利や物流費、人件費を含めた利益率が注目点。
  • SHIFT(3697):15日に本決算を発表予定。次期計画、技術者の稼働状況、人件費、営業利益率を確認する。
  • 東宝(9602):15日に第2四半期決算を発表予定。映画興行や配給、映像ライセンス、演劇、不動産の各事業の寄与が焦点。
  • 井関農機(6310):自己株式取得を決議した。取得期間の開始は11月で、来週の買い需要として扱わず、株式売出しを含めて需給を評価する。
  • 古野電気(6814)・ローツェ(6323):業績予想等を上方修正済み。修正後の業績見通しを支える受注や利益率の持続性が材料となる。

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出典

来週見るべき3ポイント

  1. 米物価指標後の金利反応:CPI・PPIの結果と、発表後の金利・為替の動きを分けて捉える。
  2. 国債入札と国内金利:5年債入札の結果が金融機関や金利敏感株に与える影響を確認する。
  3. 決算の利益率と計画:イオン、SHIFT、東宝などの決算で、売上高に加えて費用、利益率、会社計画を比べる。

本記事は公開情報をもとにした市場見通しであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式等は価格変動により投資元本を割り込む可能性があります。