今日の見方:最初に「反発」と「上昇」を分ける
23日の日経平均の前日終値は62,907.84円。寄り付きは62,667.05円で、朝からマイナス圏だった。午前9時10分の安値から当日高値までの戻り幅は1,324.28円。終値ベースでも安値から1,230.55円上昇した。大きな切り返しだが、終値は前日水準に届かなかった。
| 10月23日の場面 | 日経平均 | 前日終値との差 |
|---|---|---|
| 前日(22日)終値 | 62,907.84円 | — |
| 23日始値 | 62,667.05円 | −240.79円 |
| 23日安値(9:10) | 61,462.61円 | −1,445.23円 |
| 前引け | 61,825.26円 | −1,082.58円 |
| 23日高値(15:21) | 62,786.89円 | −120.95円 |
| 23日終値 | 62,693.16円 | −214.68円 |
※指数水準は2026年10月23日の取引実績。日経平均株価の数値は日本経済新聞社の指数情報に基づく(©日本経済新聞社)。
① 午前に売りが集中した理由
発端は前日22日の米国株式市場にあった。NASDAQ総合指数は26,008.86と前日から約2.6%下落し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も約6.7%下落した。半導体製造装置関連の決算評価に加え、巨大IT企業によるAI投資の負担や採算を巡る懸念が広がり、日本でも半導体関連の値がさ株が売られた。
日本の前場ではアドバンテスト(6857)、ソフトバンクグループ(9984)、東京エレクトロン(8035)などの下落が指数を押し下げた。前引け時点で日経平均へのマイナス寄与が大きかったのはこの3銘柄だった。銀行株にも売りが広がり、米長期金利低下と国内債券利回りの低下が銀行の収益期待には逆風となった。
中東情勢の緊迫と原油高もリスク回避姿勢を強めた材料の一つ。ただし、「何円分の下落が原油高で、何円分が半導体安」と機械的に割り振れるわけではない。米株安、金利・為替、投資家のポジション調整が同時に作用した相場と捉えたい。
② 午後に買いが戻った理由
後場は前引けの61,825.26円から、始値62,064.27円へと上向いて始まった。日中の米NASDAQ100指数先物がプラス圏へ戻したことが市場で好感され、朝方に大きく売られたAI・半導体関連株には押し目買いが入った。
アドバンテストとソフトバンクグループは後場に下落幅を縮小。東京エレクトロン、レーザーテック(6920)、キオクシアホールディングス(285A)は最終的に前日終値を上回った。一方、ディスコ(6146)は下落しており、「半導体株ならすべて上昇した」わけではない。
短時間に大きく下げた銘柄では、売りポジションを閉じる買い戻しが値幅を拡大することもある。しかし、今回の反発のうち空売りの買い戻しが占める割合は確認できない。ここは観測できた株価の反発と、推測の域を出ない需給要因を区別する。
③ 午後の反発だけでは安心できない
指数の動きに対して、市場全体の戻りは限られた。TOPIXは3,965.81で、前日比31.69ポイント安(0.79%安)。東証プライム市場は値上がり553銘柄に対して値下がり951銘柄だった。日経平均の下落率0.34%よりもTOPIXの下落率が大きかった点は見逃せない。
日経平均は一部の値がさ株に値動きが左右されやすい。今回も半導体主力株などの下げ幅縮小が指数を押し戻したが、それだけで市場の下落圧力が消えたとは言えない。23日終値の62,693円は、22日終値の62,907円をなお下回っている。
④ 次の営業日・10月26日に確認したい3点
1. 米半導体株が持ち直すか。 10月23日の米国時間におけるNASDAQ、SOX、半導体製造装置株の値動きが、週明けの東京市場の初動を左右する材料となる。
2. 日経平均以外も反発するか。 TOPIXの騰落率、東証プライムの値上がり銘柄数、銀行・非鉄金属・電子部品などの広がりを確認したい。指数だけ強くても、物色が狭い場合は反発の持続力を測りにくい。
3. 6万2,000円台を維持できるか。 23日は日中に6万2,000円を割り込んだが、終値では回復した。再び同水準を割り込むのか、上値で戻り売りが出るのかが短期的な目安となる。特定の価格を売買の推奨水準とするものではない。
まとめ:大きく戻した一日、それでも反転確認はこれから
23日の値動きをひと言で表すなら、海外株安を受けた急落後、AI・半導体主力株が切り返した一日だった。朝の最大1,445円安は、終値で214円安まで縮んだ。ただし、上昇銘柄は市場全体の多数派ではなく、日経平均もTOPIXも続落した。週明けは米国株と指数の広がりを照合してから判断したい。
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出典
- 日経平均プロフィル「日経平均株価」(2026年10月22〜23日の指数値、©日本経済新聞社)
- 日本取引所グループ「株式・債券市況」(2026年10月23日の東証市場)
- 日本取引所グループ「株価指数」(TOPIX、2026年10月23日)
- Nasdaq「NASDAQ Composite Index Overview」(米国時間2026年10月22日)
- 日本銀行「外国為替市況(日次)」(2026年10月23日)
※この記事は公開市場情報に基づく一般的な相場解説であり、特定銘柄の売買を勧誘するものではありません。