来週の3行予測

  • 指数は政策イベント前後で振れやすい。 日経平均は23日に61,462.61円まで下げた後62,693.16円まで戻しており、61,500円前後が最初の下値支持となる。
  • 半導体は業績と金利の綱引き。 10月28日のアドバンテスト、29日のルネサス、30日の東京エレクトロン決算に加え、FOMC後の米金利とSOXの反応が重要になる。
  • 原油高は業種間格差を広げやすい。 Brent116.72ドル、WTI103.27ドルが続けば、資源株には支援、空運・陸運・小売にはコスト負担となる。

① 来週の日経平均・TOPIXシナリオ

事実

10月23日の日経平均は62,693.16円で、週内安値は同日の61,462.61円、週内高値は10月21日の65,404.63円だった。TOPIXは3,965.81で終了。日経225先物12月限は大阪取引所の日中取引終値が62,910円、米国時間のCME円建て12月限は清算値62,640円だった。取引所と取引時間が異なるため、本記事では東京現物終値、OSE日中、CME清算値を分けて扱う。

予測

シナリオ日経平均の想定レンジTOPIXの想定レンジ主な条件
基本61,500〜64,500円3,850〜4,05023日安値を大きく割らず、FOMC・日銀を通じて金利が急騰しない
強気64,500〜66,000円4,030〜4,150SOX反発、米長期金利低下、主要半導体決算が需要懸念を和らげる
弱気59,800〜61,500円3,700〜3,85061,462円割れ、米金利再上昇、半導体決算失望、原油高加速が重なる

下値支持は23日安値61,462.61円に近い61,500円前後。ここを明確に割り込む場合は心理的節目の60,000円が次の焦点となる。上値はまず63,500〜64,500円、その上は先週高値65,404.63円前後が抵抗帯となる。

② 米国株・SOX・NVIDIAなど海外要因

10月23日のSOXは10,779.46で前日比0.44%高となったが、前週末比では3.21%安。半導体の調整が一日で終わったとは判断しにくい。NVIDIAは210.96ドルで引けた。AIインフラ投資の採算や資金調達負担への警戒も、関連株の重しとなっている。

米国株全体では23日にダウが1.23%安、S&P500が0.52%安、NASDAQが0.21%安。半導体指数が小幅反発しても市場全体が強いリスクオンに戻ったわけではない。来週はFOMCと米GDP・個人所得支出の公表が続くため、半導体株は企業業績だけでなく米金利の変化にも左右されやすい。

③ 為替・日米金利・原油

日本銀行による10月23日17時時点のドル円は156.95〜97円。前週の158円台から円高方向へ動いており、輸出企業には先週より支援効果が弱まった。一方、急激な円高ではなく156円台にとどまる限り、為替だけで輸出株全体の方向を決める局面ではない。

日本10年国債利回りは23日に2.795%、米10年債利回りは米財務省データで5.00%。来週はFOMCと日銀会合が同じ週にあるため、日米金利差とドル円が同時に動く可能性がある。銀行・保険には国内金利の上昇が支援材料となり得る一方、半導体・グロース株には割引率上昇が負担となる。

原油は23日にBrentが116.72ドル、WTIが103.27ドル。中東情勢と供給懸念を背景に高値圏が続いており、資源・石油関連には追い風となる一方、空運、陸運、小売、化学の一部には燃料・物流費の上昇圧力が残る。

④ 来週の重要経済指標・中央銀行イベント

日付イベント日本株への主な経路
10/27(火)日銀 9月企業向けサービス価格指数国内物価、日銀観測、金利
10/27〜28FOMC米金利、ドル円、NASDAQ・SOX
10/29(木)米7〜9月期GDP速報値景気・金利・米株
10/29(木)米9月個人所得・個人消費支出PCE物価を通じたFRB観測
10/29(木)財務省 2年利付国債入札国内金利、銀行・保険
10/29〜30日銀金融政策決定会合円、国債、銀行、輸出株、グロース
10/30(金)東京都区部10月CPI(中旬速報値)国内物価、日銀観測、金利
10/30(金)米7〜9月期雇用コスト指数賃金インフレ、米金利

FOMCは10月27〜28日、日銀会合は29〜30日。日銀は30日に政策決定内容と「経済・物価情勢の展望」の基本的見解を公表予定で、15時30分から植田総裁の定例記者会見が予定されている。米国では29日8:30(米東部時間)にGDP速報値と9月個人所得・支出が同時公表される。

⑤ 来週の主要決算予定

一次情報で公表日を確認できた主な決算は以下の通り。

日付銘柄確認点
10/28(水)15:30アドバンテスト(6857)AI・HPC向けテスター需要、利益率、通期見通し
10/29(木)キーエンス(6861)FA需要、国内外の設備投資、利益率
10/29(木)9:00予定ルネサスエレクトロニクス(6723)車載・産業向け半導体需要、在庫調整
10/30(金)東京エレクトロン(8035)半導体製造装置需要、AI投資、通期見通し

特にアドバンテストと東京エレクトロンは日経平均への寄与度が大きく、決算後の株価反応が指数全体へ波及しやすい。好決算でも米金利やSOXが弱い場合、業績と株価の方向が一致しない可能性がある。

⑥ IPO・株主還元・需給イベント

10月30日はトグルホールディングス(652A)が東証グロース市場へ新規上場予定。AI技術を活用した不動産関連事業を手掛ける。上場直後は流通株数と初値形成によって値動きが大きくなりやすく、通常の大型株とは需給構造が異なる。

10月23日引け後、ファナック(6954)は通期業績予想の上方修正とともに、1,000万株・500億円を上限とする自己株式取得を決議した。取得期間は10月26日から2027年4月30日までで、東証での市場買付とされているため、週明け10月26日から株価材料となる。これはToSTNeT-3による一日限りの立会外取得ではない。

また10月30日はTOPIX等の定期入替に関する指数イベントがあり、終値付近で指数連動資金の売買が増える銘柄が出る可能性がある。

⑦ 来週強そうな業種・弱そうな業種

業種来週の見方主なドライバー
資源・石油相対優位Brent116ドル台、WTI103ドル台
銀行中立〜やや優位日銀会合、国内金利、2年債入札
保険中立〜やや優位長期金利水準と運用環境
自動車中立ドル円156円台、中国・米景気、原油高
半導体慎重だが反発余地FOMC、SOX、アドバンテスト・ルネサス・TEL決算
空運慎重原油100ドル超、円安による燃料費負担
小売・内需選別原油・物流コストと国内金利、個別決算

先週から継続する材料は、AI・半導体株への評価調整、米10年債5%前後、原油100ドル超。終了した材料は中国GDP、日本貿易統計、日本9月CPIの「結果待ち」で、来週はFOMC・日銀という政策判断へ焦点が移る。新規材料は主要半導体決算と、ファナックの上方修正・自社株買いに対する週明けの初反応となる。

⑧ 来週の注目銘柄

  • アドバンテスト(6857):10月28日15:30に決算予定。AI向け半導体テスト需要が強いか、利益率と会社計画が焦点。指数寄与が大きく、失望時は日経平均への影響も大きい。
  • 東京エレクトロン(8035):10月30日に決算予定。装置需要とAI設備投資の継続性が焦点。米金利上昇時は好業績でも評価調整が起こり得る。
  • ルネサスエレクトロニクス(6723):10月29日9:00予定。車載・産業向け需要と在庫調整の進展が焦点。
  • キーエンス(6861):10月29日に第2四半期決算公表予定。FA・設備投資需要を確認する材料となる。
  • ファナック(6954):10月23日引け後に上方修正と自社株買いを発表。週明けは材料を初めて織り込むため、機械・FA株への波及も注目される。
  • INPEX(1605):原油高の恩恵を受けやすい一方、中東情勢の緩和で原油が急落する場合は逆風となる。
  • ANAホールディングス(9202)・日本航空(9201):原油高が燃料費の負担。需要・運賃でどこまで吸収できるかが焦点となる。

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出典

来週見るべき3ポイント

  1. 61,500円前後を維持できるか 10月23日の安値61,462.61円は最初の下値支持。ここを維持できれば62,000〜64,000円台での戻りを探る余地が残る一方、明確に割り込むと60,000円が次の心理的節目となる。
  2. FOMCと半導体決算後にSOXが反発できるか アドバンテスト、ルネサス、東京エレクトロンの決算が集中する。好業績だけでなく、FOMC後の米10年債利回りとSOXの方向が日本の半導体株の評価を左右する。
  3. 日銀会合で円・金利・銀行株の組み合わせがどう変わるか 10月29〜30日の日銀会合は、政策判断だけでなく展望レポートと植田総裁会見が焦点。円高・金利上昇なら輸出株とグロース株に逆風、金利上昇が緩やかなら銀行・保険の相対優位につながる可能性がある。