来週の日本株見通し

来週の3行予測

  • 基本は決算による銘柄選別。増収増益の大きさに加え、通期計画を達成する前提が評価を左右します。
  • 火曜の現物休場を挟むため、水曜は海外株・円相場・先物の変化をまとめて織り込む可能性があります。
  • 米雇用統計は金曜の東京引け後。結果の本格的な現物株への反映は翌週へ持ち越されます。

来週見るべき3ポイント

  1. 日銀の説明と5日の10年国債入札:追加利上げの条件と国債需要が、銀行の利ざやと成長株の評価へ異なる経路で影響します。
  2. 決算後の値持ち:月曜の決算銘柄と5日の任天堂では、会社計画の内容に対して売買が続くかが焦点です。初動だけでは期待値との差を測り切れません。
  3. 6日22時30分の米雇用統計:雇用者数だけでなく賃金と失業率が米金利見通しに結び付き、円相場や翌週の輸出株・半導体株へ波及し得ます。

① 来週の日経平均・TOPIXシナリオ

本稿は11月1日までに公表された政策決定、企業開示、公式日程を基準とします。現物の終値、先物の夜間取引、米国株終値は時点が異なり、同じ時点の価格として比較できません。日経平均・TOPIXの支持線、抵抗線と想定レンジは確認中のため、数値を置かずに条件を示します。

シナリオ条件日経平均の見方TOPIXの見方
基本決算の良否が混在し、金利と円相場の変化が限定的値がさ株の寄与に左右される。数値レンジは確認中業種間の選別。数値レンジは確認中
強気会社計画が評価され、海外成長株と金利が安定半導体を含む上昇の広がりが条件。数値レンジは確認中金融・内需にも買いが広がるか。数値レンジは確認中
弱気決算が期待に届かず、米金利や原油の上昇も重なる評価倍率の調整と利益確定が重なるリスク。数値レンジは確認中コスト増と資金流出が重なるリスク。数値レンジは確認中

指数の反発だけでは相場の広がりは分かりません。上昇銘柄数や売買の継続性が伴うかで評価が変わります。祝日先物と月曜の現物終値に差があっても、その差が水曜まで維持される保証はありません。

② 米国株・SOX・NVIDIAなど海外要因

FRBは10月28日に政策金利の誘導目標を3.75〜4.00%に据え置きました。反対した2委員は利上げを支持しており、据え置き決定を直ちに金融緩和の兆候とは解釈できません。

日本の半導体株では、SOXやNVIDIAの値動きと、国内企業の受注・会社計画を分けて読む必要があります。米長期金利が上がれば、利益成長が続いていても評価倍率が下がる可能性があります。一方、海外株の反発だけで国内企業の販売計画が上向くわけでもありません。

FOMCの決定は公表済みの材料、6日の雇用統計は新たな材料です。米国市場の翌営業日の値を、金曜の確定値として先取りして扱うことはできません。

③ 為替・日米金利・原油

円安は輸出企業の円換算利益を支え得ますが、輸入原材料や海外調達の費用も増やします。会社の想定為替との比較には、対象期間や決算通貨をそろえる必要があります。

日銀の政策金利と日本の10年国債利回りは別の数字です。5日の10年国債入札では需要の強弱が長期金利に影響し得ます。銀行・保険は金利上昇の恩恵だけでなく、債券評価損、預金金利の引き上げ、信用費用が利益を相殺する可能性があります。

原油上昇は資源関連の販売単価にプラスとなり得る一方、空運や物流、小売にはコスト要因です。WTIとBrentは銘柄・限月・清算時刻が異なります。足元価格の数値は確認中とし、特定の価格水準を前提に業種の優劣は断定しません。

④ 来週の重要経済指標・中央銀行イベント

日付公式に確認できた予定日本株への主な経路
11月2日(月)14時日銀・10月展望レポート全文物価見通し、国内金利、円相場
11月2日(月)10月30日の総裁会見記録掲載、5年クライメート・トランジション国債入札政策説明と債券需給
11月3日(火)文化の日、現物市場休場。対象先物は祝日取引水曜寄り付きの価格差
11月5日(木)10年国債入札国内長期金利と金融・成長株
11月6日(金)22時30分米国10月分雇用統計(米東部8時30分)米金利、円相場、翌週への持ち越し

日銀は10月30日、ETF売却ペースを2027年1月から年約8,600億円(簿価)とすることも決めました。政策金利の据え置きとは別の決定で、来週から一斉に売却するという意味ではありません。日々の株価変動をこの決定だけで説明することもできません。

⑤ 来週の主要決算予定

任天堂(7974)は11月5日に2027年3月期第2四半期決算を公表予定です。公式IRカレンダーで日付を確認できた予定を採用し、発表時刻は補っていません。ハード販売だけでなく、ソフト構成、在庫、通期計画の変更が焦点になります。

その他の候補は対象週の決算予定にまとまっています。同ページには公式IRの再確認が必要な行もあり、掲載企業の予定すべてが確定した日程とは扱えません。個別企業の正式な公表予定が優先され、日付や時刻は変更される場合があります。

⑥ IPO・株主還元・需給イベント

JPXの11月の新規上場予定では、2日にMabGenesis(653A)、4日にAllganize Holdings(656A)、6日にestie(658A)が予定されています。MabGenesisの公募・売出価格は830円で、10月30日に初値形成前の気配運用も公表されました。

IPOでは公開価格と初値、初値形成後の売買を分けて見る必要があります。初値までの成行注文は禁止され、注文の偏りや流動性によって値動きが大きくなる場合があります。

自社株買いは、枠の設定と取得実績を区別するのが基本です。ToSTNeT-3で取得する場合は自己株式取得専用の立会外取引であり、通常市場で継続して買い注文が出ることとは異なります。配当も予想と確定額、権利日と支払日を分けて評価する必要があります。

⑦ 来週強そうな業種・弱そうな業種

以下は条件別の分析であり、実際の資金流入や値上がりを確認したものではありません。

業種支えになり得る条件相殺要因・リスク
半導体会社計画と顧客投資の継続性が評価される高い期待値、米金利上昇、受注の偏り
銀行・保険貸出金利や再投資利回りの改善債券評価損、預金コスト、信用費用
資源・石油原油上昇と販売価格の改善需要減速、在庫評価、価格反落
自動車円安効果と採算改善海外販売、関税、調達費用
空運需要と運賃収入の改善燃料費、為替、価格転嫁の遅れ
小売・内需客数と粗利率の改善仕入れ・物流・人件費の増加
ゲームソフト販売と通期計画が評価されるハード偏重、在庫、期待先行

前週から残る材料は公表済みの金融政策と決算、新たに加わる材料は日銀の説明、入札、今週の決算と雇用統計です。「好業績の業種」と「来週株価が上がる業種」は一致するとは限りません。

⑧ 来週の注目銘柄

  • 東京エレクトロン(8035):10月30日に新たな通期計画を開示。下期の売上計上と利益率が焦点で、計画の規模だけでは期待値との差は分かりません。
  • 任天堂(7974):11月5日に中間決算予定。ソフト構成と通期予想が材料で、販売数量と利益率が同じ方向に動くとは限りません。
  • MabGenesis(653A):11月2日に上場予定。公開価格830円と初値の差、売買成立後の流動性が焦点です。上場直後は需給による変動が大きくなる場合があります。

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出典