今日の見方
まず需要が数量で伸びているのか、値上げによって金額だけが増えているのかを分けます。次に雇用と賃金、その後に国内企業の決算で、米国事業の利益率と会社予想の前提を照合します。景気の強弱を一つの数字へ集約するより、売上と費用がどちらへ動くかを見る方が実務に結び付きます。
需要は名目と実質をそろえる
BEAは個人消費支出(PCE)の月次統計を公表しています。名目支出は価格変化も含み、実質支出はその影響を調整した尺度です。名目売上が増えた企業でも、販売数量や利益が増えたとは限りません。
投資家が見る点: 米国向け消費財・サービス企業では、会社の売上伸長率だけでなく、数量、価格、販売構成を分けます。公的統計と個社の対象顧客は違うため、米国全体の増減率を個社の成長率へそのまま当てはめることはできません。
雇用統計は失業率・賃金・改定も読む
BLSの公表予定では、10月分の雇用統計は米東部標準時11月6日8時30分、日本時間22時30分です。雇用者数と失業率は異なる調査に基づくため、同じ方向に動かない場合もあります。
投資家が見る点: 雇用者数の増減に加え、平均時給、労働時間、過去分の改定を確かめます。賃金の伸びは家計需要を支える面と、企業の人件費負担になる面を持ちます。今回の数値は11月5日時点で未公表です。
米金利・円相場から個社の利益へ
景気指標から株価への波及は一本ではありません。需要の強さが利益に有利でも、金利や為替の変化が評価を押し下げる場合があります。FRBも雇用と物価などを見ながら政策を判断しており、単一の指標から次の政策変更は確定できません。
日本企業では米国売上、現地費用、為替前提がそれぞれ違います。発表後に相場が動いた場合も、同時刻の決算や他のニュースを含めて見る必要があり、一つの指標だけに原因を求めるのは避けたいところです。