決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前期実績 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 2兆3,376億円 | 1兆7,065億円 | +37.0% | 非開示 | 該当なし |
| Non-GAAP営業利益 | 8,762億円 | 4,530億円 | +93.4% | 非開示 | 該当なし |
| 営業利益 | 8,704億円 | 4,517億円 | +92.7% | 非開示 | 該当なし |
| 当期利益 | 5,545億円 | 2,723億円 | +103.6% | 非開示 | 該当なし |
| 親会社帰属当期利益 | 5,545億円 | 2,723億円 | +103.6% | 非開示 | 該当なし |
| 基本的EPS | 1,024.07円 | 519.96円 | +96.9% | 非開示 | 該当なし |
通期決算では、会社側は2027年3月期第1四半期予想を開示している一方、年度計画値と達成状況の記載は省略している。そのため、進捗率は該当なしとして扱う。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| 売上収益営業利益率 | 37.2% | 決算短信の収益性指標 | メモリ市況改善時の収益レバレッジが大きい。 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 37.9% | 前期25.3% | 資本の厚みは前期から改善した。 |
| 営業CF | 6,165億円 | 前期4,764億円 | 利益拡大に伴い営業キャッシュ・フローも増加した。 |
| 総資産税引前利益率 | 23.7% | 前期12.8% | 資産効率は前期から改善した。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 株価・EPSとの比較 | 株価評価には別途市場データが必要である。 |
2027年3月期第1四半期予想は、売上収益1兆7,500億円、営業利益1兆2,980億円、親会社帰属四半期利益8,690億円である。短信上の増減率は対前四半期比であり、前年比ではない点に注意が必要である。
ポジティブ要因
売上収益と利益の大幅増加
売上収益は前期比37.0%増、営業利益は同92.7%増だった。売上増加に対して利益の伸びが大きく、メモリ市況の改善や製品ミックスの変化が収益性に強く効いた決算である。
データセンター・エンタープライズ向け需要
会社は、データセンターおよびエンタープライズ向けではAI用途によるサーバー需要が増加し、市場拡大が継続していると説明している。AI関連需要は中長期テーマだが、短期業績とは必ずしも一致しないため、販売単価と出荷量の継続確認が必要である。
財務指標の改善
親会社所有者帰属持分比率は37.9%となり、前期の25.3%から改善した。営業キャッシュ・フローも6,165億円に増えており、利益とキャッシュ創出が同じ方向に動いている点は確認材料になる。
リスク要因
メモリ市況の変動
半導体メモリ業界は、需要と供給の変化で販売単価が大きく動く。現在の好業績は市況改善の恩恵を受けているが、競合の増産や在庫調整が起きると利益率は低下する可能性がある。
会社予想の不確実性
2027年3月期第1四半期予想は非常に高い水準だが、通期予想は示されていない。会社予想は外部環境により変動する可能性がある。四半期単位の強さを通期に単純延長しないことが重要である。
配当予想は未定部分が残る
普通株式の2027年3月期配当予想は、第2四半期末が0円、期末と年間は未定である。会社は配当予想を決定した場合に速やかに開示するとしており、現時点で普通株式の配当実施を前提にすることはできない。
財務安全性
総資産は3兆6,901億円、資本合計は1兆3,991億円、親会社所有者帰属持分比率は37.9%である。現金及び現金同等物は4,707億円、営業キャッシュ・フローは6,165億円だった。財務体質は前期から改善しているが、メモリ事業は設備投資負担が大きく、市況悪化時にはキャッシュ・フローが変動しやすい。
業界動向との関連
キオクシアはNANDフラッシュメモリとSSDを中心とするメモリ事業の単一セグメントである。AIデータセンター向けストレージ需要は追い風だが、同時にNANDはシリコンサイクルの影響を受ける。競合の投資再開、在庫水準、為替、販売単価の動きが業績の振れ幅を左右する。
株価への示唆
株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。決算数値は強いが、2026年5月15日の株価は大きく下落しており、好業績がそのまま短期株価上昇につながるとは限らない。今後は、2027年3月期第1四半期予想の達成度、NAND価格、ADS上場準備、日経平均採用後の需給が確認材料になる。
今期の総括
2026年3月期は、売上収益、営業利益、当期利益、営業キャッシュ・フローがそろって大きく改善した決算だった。一方で、メモリ市況の好転が利益を押し上げているため、今後の評価ではAI需要の継続性とNAND市況の反転リスクを同時に見る必要がある。
来期見通し
2027年3月期第1四半期予想では、売上収益1兆7,500億円、営業利益1兆2,980億円、親会社帰属四半期利益8,690億円が示されている。短信上の増減率は対前四半期比である。通期予想は明示されていないため、Q1予想だけを通期利益に単純換算することは避けたい。
総合判断
総合判断は中立である。業績と財務指標の改善は明確だが、半導体メモリは市況循環の影響を強く受けるため、現在の利益率が持続するかは未確定である。次回は、NAND価格、eSSD需要、競合投資、普通株式の配当方針、ADS上場準備の進捗を確認したい。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・適時開示資料を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)、キオクシアホールディングス、開示日: 2026-05-15
- 当社普通株式を対象とした米国預託株式の米国の証券取引所への上場準備に関するお知らせ、キオクシアホールディングス、開示日: 2026-05-15