決算サマリー
第13期は比較対象となる前期数値が発行者情報に収録されていない。営業利益も主要な経営指標の表には記載されていないため、経常利益と純利益を中心に整理した。
| 項目 | 2023年6月期 | 前期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 126.82億円 | 開示なし | 算定不可 | 開示なし | 算定不可 |
| 営業利益 | 開示なし | 開示なし | 算定不可 | 開示なし | 算定不可 |
| 経常利益 | 0.70億円 | 開示なし | 算定不可 | 開示なし | 算定不可 |
| 純利益 | 0.43億円 | 開示なし | 算定不可 | 開示なし | 算定不可 |
| EPS | 7.84円 | 開示なし | 算定不可 | - | - |
売上規模は126億円を超えたが、経常利益率は0.5%にとどまる。売上高だけでは収益力を評価しにくい年度である。
セグメント
同社は投資不動産事業の単一セグメントである。2023年6月期について、発行者情報はサービス別売上高やサービス別利益を開示していない。
| 区分 | 売上高 | 構成比 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 投資不動産事業 | 126.82億円 | 100.0% | 開示なし |
投資用マンションの開発・販売に加え、賃貸・建物管理や不動産仲介などを手掛けるが、この年度は各サービスの収益規模を分けて確認できない。全社の営業利益も資料上未開示であり、区分別利益の推計は行っていない。
財務安全性
2023年6月末の総資産は93.39億円、純資産は8.22億円、自己資本比率は8.8%だった。自己資本の薄さは、販売用不動産の取得を借入金で賄う事業構造を評価するうえで重い論点になる。第13期はキャッシュ・フロー計算書を作成していないため、営業CF、投資CF、フリーCFは確認できない。利益が実際の資金回収につながったかは後続年度の開示で補う必要がある。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | 算定不可 | 前期EPSの開示なし | 報告値は7.84円 |
| ROE | 6.5% | 前期値の開示なし | 会社開示値 |
| ROIC | 開示なし | - | 営業利益と投下資本の詳細不足 |
| PER推移 | 算定不可 | 当時は非上場 | 市場株価なし |
純利益は黒字だが、経常利益率0.5%とROE6.5%だけで高い資本効率とは判断しにくい。営業利益と資金収支が欠けるため、定量評価の確度も限定される。
ポジティブ要因
126億円の売上規模
売上高は126.82億円だった。投資用マンションの引き渡しを中心に、一定の事業規模を確保していたことは確認できる。
最終黒字の確保
経常利益0.70億円、純利益0.43億円を計上した。支払利息など営業外費用を反映した後も赤字には陥っていない。
純資産の蓄積
期末純資産は8.22億円だった。後続の会計方針変更前の数値ではあるものの、利益剰余金を含む自己資本を確保していた。
リスク要因
利益率の薄さ
経常利益率は0.5%で、売上規模に対する利益の余裕は小さい。物件原価や支払利息が上振れた場合、最終利益まで影響が及びやすい。
自己資本比率の低さ
自己資本比率は8.8%で、一般的な財務安全性の目安である30%を大きく下回る。棚卸資産の評価や販売時期のずれに対する余力は厚くない。
キャッシュ・フロー未作成
第13期はキャッシュ・フロー計算書が作成されていない。マンション販売では在庫と借入金の増減が大きくなりやすく、純利益だけでは資金繰りを判断できない。
財務数値の監査範囲
第13期の財務諸表は、TOKYO PRO Market上場規程の特例に基づく監査を受けていない。後続の監査済み年度との比較では、この範囲差を踏まえる必要がある。
業界動向との関連
投資用マンション事業は、物件の仕入れ、建築、販売、引き渡しまでに資金と時間を要する。売上高が大きくても、原価上昇や金利負担、引き渡しの集中で利益とキャッシュが振れやすい。2023年6月期は詳細な利益構造が開示されておらず、業界環境との比較よりも基礎データの不足が先に立つ。
株価への示唆
2023年6月期時点で同社は非上場であり、市場株価、PER、会社予想EPSは存在しない。後日公表された発行者情報だけで当時の理論株価を逆算することも適切ではない。上場後の評価材料として使う場合は、売上高126.82億円という規模より、経常利益率0.5%、自己資本比率8.8%、キャッシュ・フロー未開示という制約を重く見る必要がある。
今期の総括
2023年6月期は最終黒字を確保したものの、経常利益率は0.5%だった。営業利益とキャッシュ・フローが開示されておらず、売上が利益と資金へどう転換されたかは読み切れない。後続年度を評価するための起点となる決算である。
来期見通し
発行者情報には2024年6月期の当時の会社計画が収録されていない。したがって、2023年6月期実績から翌期を予測せず、実際に公表された2024年6月期の売上、利益、営業CFと比較する。特に、収益認識基準の適用と会計方針変更が翌期の純資産へ及ぼす影響に注意が必要である。
総合判断
総合判断は中立である。売上高126.82億円と最終黒字は確認できるが、経常利益率0.5%、自己資本比率8.8%で、営業利益と営業CFも未開示である。単年度を強く評価する材料は不足しており、2024年6月期以降の監査範囲、利益率、資金収支との連続比較が必要となる。
出典
- レイシャス「発行者情報」(2026年8月4日公表、2023年6月期の主要な経営指標を収録)
- レイシャス「IR情報」
- 日本取引所グループ「TOKYO PRO Market 新規上場会社情報」