レイシャス 証券コード 617A|2025年6月期 25.3%増収、営業利益は2.4倍 営業CFも15.00億円へ黒字反転 改善した数値 ✓ 売上高 157.16億円 ✓ 営業利益 3.60億円 ✓ 営業CF 15.00億円 残る負担 ⚠ 自己資本比率 5.1% ⚠ 支払利息 1.49億円 ⚠ 物件販売比率 88.2% 利益回復を自己資本の積み上げへつなげられるか kabutrack.com

決算サマリー

投資用マンション販売の拡大で増収となり、販管費の伸びを抑えたことで営業利益は2.4倍になった。経常利益と純利益も低い前年水準から大きく回復した。

項目2025年6月期2024年6月期増減率次期会社計画進捗率
売上高157.16億円125.42億円+25.3%開示なし該当なし
営業利益3.60億円1.47億円+144.8%開示なし該当なし
経常利益1.77億円0.33億円+443.1%開示なし該当なし
純利益1.03億円0.11億円+796.0%開示なし該当なし
EPS18.66円2.08円+797.1%--

営業利益率は前年の1.2%から2.3%へ上昇した。増益率は大きいが、前年利益が低かった反動も含む。

セグメント

同社は投資不動産事業の単一セグメントである。サービス別売上は開示されているが、サービス別営業利益は開示していない。

サービス区分売上高前期売上高増減率構成比営業利益
投資用マンション売上138.54億円109.96億円+26.0%88.2%非開示
賃料・建物管理業務売上15.17億円13.43億円+12.9%9.7%非開示
不動産仲介売上1.36億円0.55億円+146.1%0.9%非開示
その他2.09億円1.48億円+41.4%1.3%非開示

開示区分の合計は全社売上高を2千円下回るが、資料上の端数差である。全区分が増収となり、主力の投資用マンション売上が全体の伸びを牽引した。全社営業利益3.60億円は会社全体の実績であり、各サービスへ配分した数値ではない。

財務安全性

総資産121.34億円、純資産6.15億円で、自己資本比率は前年の4.2%から5.1%へ改善した。それでも自己資本は薄い。営業CFは15.00億円、投資CFは△0.05億円で、フリーCFは14.96億円の黒字となった。棚卸資産3.20億円減と買掛金9.34億円増が営業CFを押し上げ、財務CFは△12.11億円。長期借入金の純減少を進め、現金同等物は7.75億円へ増えた。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率+797.1%2024年6月期比2.08円から18.66円へ回復
ROE18.2%前期1.7%会社開示値
ROIC開示なし-投下資本の公式開示なし
PER推移算定不可当時は非上場市場株価なし

EPSとROEは急回復した。ただし純資産が小さいためROEが高く出やすく、営業利益率2.3%と自己資本比率5.1%も併せて見る必要がある。

ポジティブ要因

投資用マンション販売の拡大

投資用マンション売上は26.0%増の138.54億円となった。自社ブランドの供給は期末までに累計101棟へ達し、全社増収を牽引した。

販管費の吸収

売上総利益は23.37億円、販管費は19.77億円だった。販管費の増加を売上総利益の伸びが上回り、営業利益率は1.2%から2.3%へ改善した。

営業キャッシュ・フローの反転

営業CFは前年の△27.79億円から15.00億円の黒字へ転じた。棚卸資産の減少と買掛金の増加が寄与し、長期借入金の返済を進めた。

管理・仲介収入の増加

賃料・建物管理業務売上は12.9%増、不動産仲介売上は146.1%増だった。物件販売以外の区分も増収となっている。

リスク要因

自己資本比率の低さ

自己資本比率は5.1%で、改善後も低い。純資産6.15億円に対して負債は115.20億円あり、在庫評価や販売遅延の影響を吸収する余力は限られる。

営業キャッシュ・フローの変動

営業CFの改善は大きいが、棚卸資産の減少と買掛金の増加が寄与した。物件仕入れが再び先行すれば、翌期の営業CFが同水準を維持するとは限らない。

支払利息の負担

支払利息は1.49億円で、営業利益3.60億円の41.4%に相当する。金利上昇は自社の資金調達と顧客の投資判断の双方へ作用する。

顧客・引き渡しの集中

NST向け売上は20.04億円で、全社売上高の12.8%を占めた。物件販売では大口取引や引き渡し時期が年度業績を動かしやすい。

業界動向との関連

会社は都心部の賃貸需要を堅調とする一方、建築資材価格と金利変動を懸念材料に挙げている。入居率98%は管理面の支えだが、土地・建物取得費は売上原価の大半を占める。販売価格へ転嫁できない場合、2.3%の営業利益率は圧迫されやすい。

株価への示唆

2025年6月期時点で同社は非上場であり、市場株価とPER推移はない。後日の上場評価では、EPS18.66円の急伸だけを基準にすると前年の低利益を見落とす。利益と営業CFの回復が翌期も続き、自己資本比率が上向く場合は評価の安定材料になり得るが、物件仕入れで再び営業CFが悪化する場合は財務リスクが意識されやすい。

今期の総括

2025年6月期は25.3%増収、144.8%営業増益となり、営業CFも黒字へ反転した。前年の資金先行から販売・回収へ移った点は明確である。ただし利益率は2.3%、自己資本比率は5.1%。回復した利益を財務基盤へ積み上げる途上にある。

来期見通し

2026年6月期の会社業績予想は発行者情報に記載されていない。会社は開発地域の拡大、海外顧客向け販売、不動産証券化、保険事業の拡充を課題としている。計画値がないため、次の中間・通期開示では物件引き渡し、棚卸資産、借入金、営業CFの組み合わせから進捗を判断する必要がある。

総合判断

総合判断は中立である。売上高25.3%増、営業利益144.8%増、営業CF15.00億円への反転は改善を示す。一方、自己資本比率5.1%と支払利息1.49億円は軽くない。利益回復を一過性の物件引き渡しで終わらせず、純資産と管理収入へつなげられるかが次の確認点となる。

出典