決算サマリー
前年中間期の財務数値は開示されていないため、2025年6月通期を参考値として並べた。期間が異なるため、進捗率や前年同期比は算出していない。
| 項目 | 2025年12月中間期 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 115.74億円 | 開示なし | 算定不可 | 開示なし | 算定不可 |
| 営業利益 | 4.35億円 | 開示なし | 算定不可 | 開示なし | 算定不可 |
| 経常利益 | 2.79億円 | 開示なし | 算定不可 | 開示なし | 算定不可 |
| 純利益 | 1.51億円 | 開示なし | 算定不可 | 開示なし | 算定不可 |
| EPS | 27.38円 | 開示なし | 算定不可 | - | - |
2025年6月期は売上高25.3%増、営業利益144.8%増、純利益796.0%増だった。2026年6月期の会社計画は非開示である。中間期も利益額は伸びたが、マンションの引き渡し時期で業績が動くため、単純な年率換算には向かない。
セグメント
同社は投資不動産事業の単一セグメントである。2025年12月中間期の顧客との契約から生じる収益は、次のサービス区分で開示された。
| サービス区分 | 売上高 | 構成比 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 投資用マンション売上 | 105.79億円 | 91.4% | 非開示 |
| 賃料・建物管理業務売上 | 7.67億円 | 6.6% | 非開示 |
| 不動産仲介売上 | 0.88億円 | 0.8% | 非開示 |
| その他 | 1.41億円 | 1.2% | 非開示 |
サービス別売上の開示合計は全社売上高を1千円下回るが、資料上の端数差である。サービス別利益は開示されず、全社営業利益4.35億円を各区分へ配分することはできない。管理収入は積み上がっているものの、売上の約9割は物件販売である。
財務安全性
2025年12月末の総資産は106.28億円、純資産は7.66億円、自己資本比率は7.2%だった。流動比率は162.0%だが、有利子負債は88.29億円で総資産の83.1%に相当する。営業CFは9.25億円、投資CFは△0.56億円で、フリーCFは8.69億円の黒字。売上債権と棚卸資産の減少が営業CFを支えており、継続的な利益だけで得た資金とは分けて見る必要がある。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | 前年同期値なし | 前年中間期の開示なし | 報告値27.38円 |
| ROE | 21.8% | 2025年6月期18.2% | 会社開示値 |
| ROIC | 開示なし | - | 投下資本の公式開示なし |
| PER推移 | 算定不可 | 上場前で市場株価なし | 上場後もTPMの流動性に注意 |
2026年6月1日の株式併合を期首に実施したと仮定した中間EPSは273.81円である。記事表では発行者情報の報告値27.38円を使い、株式併合後の市場指標と混同しないよう区別した。
ポジティブ要因
営業利益率の上昇
営業利益率は2024年6月期の1.2%、2025年6月期の2.3%から、中間期は3.8%へ上がった。売上総利益16.12億円に対し、販管費を11.78億円に抑えた。
営業キャッシュ・フローの黒字
営業CFは9.25億円を確保した。現金同等物は2025年6月末から0.70億円増えて8.45億円となり、投資支出後のフリーCFも黒字だった。
販売後の管理収入
賃料・建物管理業務売上は中間期で7.67億円となった。物件販売後も管理を継続する事業モデルで、マンション販売とは異なる収益源になっている。
リスク要因
薄い自己資本
純資産7.66億円に対し総資産は106.28億円で、自己資本比率は7.2%にとどまる。棚卸資産は71.66億円と総資産の67.4%を占め、販売価格や引き渡し時期のずれが財務へ波及しやすい。
借入金と金利負担
有利子負債は88.29億円、支払利息は中間期だけで1.17億円だった。金利上昇や金融機関の融資姿勢が変われば、物件取得と購入者側の投資判断の双方に影響する。
物件販売への集中
投資用マンション売上が91.4%を占める。2025年6月期にはNST向け売上が20.04億円、全体の12.8%に達しており、大口取引と物件引き渡しの集中も確認項目である。
株式の流動性
TOKYO PRO Marketは特定投資家向け市場である。業績が改善しても売買参加者と出来高が限られる場合、価格形成や換金性は一般市場と異なる。
業界動向との関連
会社は都心部の賃貸需要を堅調と説明する一方、建築資材価格と金利上昇を事業環境の重荷に挙げている。自社ブランドは2026年6月時点で112棟、入居稼働率は98%。供給拡大だけでなく、用地取得価格と販売後の管理収入が利益にどう結び付くかが問われる。
株価への示唆
発行者情報公表時点では未上場で、市場株価と会社予想EPSがないため、PER推移や理論株価は算定できない。2025年12月中間期の利益を単純に年率換算すると、物件引き渡しの季節性を無視することになる。上場後の評価では、2026年6月通期の実績、株式併合後EPS、自己資本の積み上がりに加え、TPMで実際に成立する売買価格と出来高を確認する必要がある。
今期の総括
中間期は営業利益4.35億円が前年通期3.60億円を上回り、営業CFも黒字だった。数字は強い。ただし売上の91.4%をマンション販売が占め、自己資本比率は7.2%。利益の伸びと財務余力を切り離して評価できない決算である。
来期見通し
2026年6月期の会社業績予想は発行者情報に記載されていない。会社は投資用マンションの開発地域拡大、海外顧客向け販売、不動産証券化、保険事業の拡充を課題としている。計画値がない以上、中間実績から通期利益を推定せず、物件の引き渡しと借入残高を次の公式開示で照合するのが妥当である。
総合判断
総合判断は中立である。営業利益率3.8%とフリーCF8.69億円は改善材料だが、自己資本比率7.2%、有利子負債比率83.1%は軽くない。2026年6月通期で利益と営業CFを維持し、純資産を積み上げられるかが次の確認点となる。
出典
- レイシャス「発行者情報」(2026年8月4日公表)
- レイシャス「IR情報」
- 日本取引所グループ「TOKYO PRO Market 新規上場会社情報」