マイクロン決算後、半導体株の3つの確認点

まず結論

来週は、マイクロン決算を受けた買いが日本の装置・検査株にも広がるかが焦点だ。現時点では、メモリー企業の業績は強いが、日本の関連企業の受注改善まで裏付けた材料にはなっていない。再浮上を積極的に読むには、アドバンテスト(6857)と東京エレクトロン(8035)の買い直しと、その後の受注情報が欲しい。

マイクロンの数字はどれほど大きいか

2026年度第4四半期は9月3日終了。売上高は542億2,900万ドルで、前年同期の113億1,500万ドルの約4.79倍となった。原資料の単位は百万ドルで、「54,229」は542億2,900万ドルに当たる。GAAP純利益の「37,701」も377億100万ドルで、桁の誤記ではない。マイクロンの公式決算開示

2027年度第1四半期の売上高見通しは615億ドル±15億ドル。中央値は直前四半期を約13.4%上回る。GAAP希薄化後1株利益は37.84ドル±1.00ドルを見込む一方、GAAP粗利益率は86.8%から約85.95%へ下がる予想だ。売上高の伸びは強いが、高い利益率がさらに上がる見通しではない。

設備投資の根拠もある。会社が示す設備投資額(純額)は2026年度通期で273億7,000万ドル、第4四半期で107億7,000万ドルだった。ただし、これはマイクロン自身の投資実績で、日本企業への発注額を示すものではない。株価が先に反応しても、装置の受注や売上に表れるまでには時間差がある。

急伸の翌日に反落した東京市場

10月1日に急伸した日経平均は、翌2日に反落した。相場の経過は10月1日の日本株夕刊と10月2日の日本株夕刊にまとめている。

この動きから言えるのは、指数の上昇が翌日まで続かなかったことだ。半導体株全体の失速や、好材料の織り込み完了まで断定するには足りない。来週は指数より、装置・検査株が反落後にどこで買い直されるかに目を向けたい。

来週の3つの確認点

1. マイクロンと米半導体株指数の方向がそろうか

見る指標は、マイクロンと米半導体株指数が、決算発表後の10月1〜2日に付けたそれぞれの高値を上回るかだ。両方の高値更新は、決算への評価がメモリー企業からセクターへ広がる手掛かりになる。マイクロンだけが戻れない動きは、高収益の持続性への疑念という仮説を検討する材料になる。

そろって下落する局面では、米長期金利と半導体以外の成長株を照らす。広範な下落を伴うかどうかで、決算固有の懸念と成長株全体の評価調整を見極めたい。

2. アドバンテストと東京エレクトロンがそろって上昇するか

検査装置のアドバンテスト(6857)と製造装置の東京エレクトロン(8035)がそろって上昇し、先端パッケージや基板、素材の銘柄にも上昇が及ぶかを見る。一社の大幅高だけより、関連銘柄の上昇数と売買代金が増える方が、国内への波及を読みやすい。

業績面では、メモリー向け受注、顧客の設備投資計画、納期が観察対象になる。マイクロンの投資額が大きくても、どの工程・企業に注文が向かうかは別の問題だ。また、メモリー価格の上昇は、調達する機器メーカーにはコスト増となる。装置側の恩恵を、関連企業すべての増益に広げる読みには無理がある。

3. 両社がそれぞれ10月2日の安値を割り込むか

アドバンテストと東京エレクトロンについて、各社の10月2日の安値と翌週の株価を比較する。反発した日は、終値がその日の高値に近いか、引けにかけて押し戻されたかも見る。安値を保ったまま終値を切り上げる動きは、急伸後の売りを吸収したと読む手掛かりになる。

反発が引けまで続かず、下落日の売買代金が膨らむ動きは、戻りを待つ売りが出ている可能性を示す。ただし、これは価格と売買代金からの推測で、売り手の意図を確認した事実ではない。

円高や米金利上昇が重なる日は、企業の収益見通しと株価評価の両方に逆風が及ぶ。良い決算が出ていても、外部環境が変われば短期の買いは続きにくい。

どこで見方を変えるか

今は、メモリーの好業績を国内企業の増益へ結びつけることに慎重だ。この見方を変える材料は、日本の装置・検査企業が示すメモリー向け受注や、顧客の投資計画の具体的な改善である。来週の株価は先行する期待を測る場、次の企業開示はその期待を裏付ける場と位置づけたい。

出典