老後2000万円問題とは?2019年の平均値と自分の不足額を分ける

もとの数字は、当時の平均的な家計から出た

2019年6月3日の報告書は、夫65歳以上・妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯などの収支を取り上げ、当時の平均的な不足が長く続く場合の取り崩しを示しました。報告書自身も、収入、支出、生活の仕方によって必要額が大きく違い、不足しない場合もあることを説明しています。

過去の統計を基にした金額を、2026年時点の全世帯の家計や、自分が将来受け取る年金へそのまま当てはめることはできません。報告書の歴史的な背景と、現在の個人の準備額は別に考えます。

同じ30年間でも、月の差で必要額は変わる

以下は独自の家計比較です。税や保険料を考慮した毎月の手取り収入と支出の差が3万円なら、30年間一定と置いた不足総額は1,080万円です。差が8万円なら2,880万円。運用益、物価の変化、大きな臨時支出を省く単純な仮例でも、必要額は2,000万円の上下に分かれます。

計算する前に、月額の収入と支出の単位をそろえます。年金の年額を月額へ直さず使ったり、税引前の年金と手取りの生活費を比べたりすると、赤字額がずれます。受取額の見込みと、実際に使える額も区別します。

年金の見込みと、支出の内訳をそろえる

ねんきんネットでは加入記録などに基づく年金見込額を試算できます。働き方や加入期間を変えた場合の条件も確認し、世帯の平均年金を自分の確定収入とは扱いません。退職金、企業年金、退職後の就労収入がある場合も、受け取りが始まる時期と続く期間を見ます。

支出は、食費や光熱費だけでなく、住居、税・保険料、車、医療なども含めます。持ち家でも修繕や税は残り、賃貸では住居費が続きます。住宅や介護などの臨時費用を月の平均に含めた場合は、別枠でも同じ額を足していないかを照合します。

退職後の期間と、物価は固定とは限らない

30年という期間も仮定です。退職年齢、年金の開始時期、家族の変化によって毎年の収支は同じになりません。物価上昇で支出が増える可能性や、収入の改定が同じ率で追いつくとは限らないことも残ります。

毎月の不足を一定に置く計算で全体をつかんだ後、年金開始前、開始後、大きな支出のある年に分けると、必要な時期の現金が分かります。

運用益で不足を埋める計画にも変動は残る

運用を続ける選択には元本割れがあり、取り崩しの時期に下落すれば、予定より多くの口数を売る場合があります。積立総額へ一括投資の複利式を当てはめることもできません。後から入れたお金ほど運用期間が短くなるためです。

まず現在の資産と、今後必要な現金の時期を分け、収益が出ない場合にも支払いができるかを見ます。2,000万円という数字は不足を調べる入口であり、達成すれば安心、未達なら破綻と判定する境界ではありません。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。