半値八掛け二割引とは?高値の32%になる計算と限界

三つの割合を順番に掛ける

半値八掛け二割引は、大きく崩れた相場の下値目安として使われる格言です。半値は元の50%、八掛けはその80%、二割引も直前の値段の80%です。したがって、0.5×0.8×0.8=0.32となります。

高値2,500円の架空銘柄なら、1,250円、1,000円、800円と順に計算します。残る価格が高値の32%であり、32%下落するという意味ではありません。高値からの下落率は68%です。

半値からも、さらに36%下がる計算

半値の1,250円から800円への変化は450円の下落で、1,250円に対して36%です。「すでに半分下がった」段階からも、計算上は大きな下落が続きます。高値からの下落率と、買う時点からの下落率を混ぜないことが必要です。

また、800円から高値2,500円へ戻るには212.5%の上昇が必要になります。下落と回復では分母が違うため、68%下がった後に68%上がれば元に戻るわけではありません。

32%で止まる根拠は別に必要

格言の計算結果に、企業の利益、保有資産、借入返済、株式数は入っていません。同じ高値の32%でも、企業が成長している場合と、資金繰りが悪化している場合を区別できません。

その水準へ到達する前に反発することも、その後も下がることもあります。格言にある数字を統計的な下限や、会社が払い戻す価値として扱うことはできません。業績の予想と価格の関係は別に検討する必要があります。

高値の基準もそろえる

いつの高値を使うかで、算出される価格は変わります。さらに、株式分割があれば過去と現在の一株の単位も変わるため、価格を調整せずに比べると、実際には同じ企業価値でも大幅下落に見えることがあります。

格言を使うなら、使った高値の日付と調整の有無を明らかにし、独自に置いた前提として記録できます。数字を出せることと、それが投資判断の妥当な価格であることを分けて読む点が、計算より大きな論点です。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。