2026年6月期は減収減益
2026年6月期の連結業績は、売上高2,304億円(前期比8.3%減)、営業利益1,052億円(同14.3%減)、純利益774億円(同8.5%減)となりました。
前期に受注が落ち込んだ影響が売上計上に反映されたことが主な要因であり、決算数字だけを見ると厳しい内容です。
一方で営業利益率は45.7%を維持しており、依然として世界トップクラスの収益性を誇っています。
最大の注目点は受注高の急回復
今回の決算で最も評価できるポイントは受注高です。
2026年6月期の受注高は2,375億円となり、前期の約1,052億円から2倍以上に拡大しました。
レーザーテックは受注から売上計上まで一定の期間を要するビジネスモデルのため、受注は将来の売上を占う重要な先行指標です。
前期は受注低迷が懸念材料となっていましたが、今回の数字からは先端半導体向け投資需要が回復していることが確認できました。
AI向けGPUやHBM、高性能CPU向け投資が継続していることが追い風となっています。
来期は25%増収・19%営業増益を計画
会社は2027年6月期について、売上高2,900億円、営業利益1,250億円を予想しています。
前期比では売上高25.8%増、営業利益18.8%増と力強い回復を見込んでいます。
| 指標 | 2027年6月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2,900億円 | +25.8% |
| 営業利益 | 1,250億円 | +18.8% |
| 経常利益 | 1,250億円 | +15.9% |
| 純利益 | 900億円 | +16.2% |
| EPS | 1,004.12円 | 約16%増 |
減益局面から再び成長軌道へ戻る計画となっており、市場の期待に沿ったガイダンスといえるでしょう。
サービス事業の拡大も好材料
装置販売は前年を下回りましたが、保守・メンテナンスなどのサービス売上は大きく伸長しました。
サービス事業は導入済み装置が増えるほど安定収益として積み上がるため、業績の安定性向上につながります。
単発の装置販売だけでなく、ストック型収益の比率が高まっている点は中長期的にもプラス材料です。
財務は引き続き盤石
自己資本比率は70%を超え、現金も900億円以上を保有しています。
有利子負債もなく、積極的な研究開発や設備投資、株主還元を継続できる十分な財務余力があります。
また、年間329円の配当に加え、自社株買いも実施しており、株主還元姿勢も引き続き積極的です。
気になるポイントは利益率の低下
一方で注意すべき点もあります。
来期は増収増益を見込む一方、営業利益率は43%程度まで低下する見通しです。
人件費や研究開発費の増加、製品構成の変化などが背景にあると考えられます。
また、営業キャッシュフローは前年より減少しており、利益に比べて現金創出力がやや弱かった点も確認しておきたいポイントです。
もっとも、これは前受金や税金支払いなど一時的な要因の影響も大きく、財務の健全性を損なうものではありません。
総合評価
今回の決算は、実績だけを見ると減収減益で物足りない印象を受けます。
しかし、投資家が最も重視していた受注高は大幅に回復し、会社も来期の2桁増益を見込んでいます。
つまり、「過去を振り返る決算」ではなく、「これからの成長を示した決算」と評価できます。
今後は受注回復が一時的なものではなく継続するか、そして利益率をどこまで維持できるかが株価の評価を左右するポイントとなるでしょう。
総合評価:★★★★☆(4.0/5.0)
減収減益という見た目以上に中身は前向きな決算でした。AI・先端半導体投資の追い風を背景に、レーザーテックが再び成長局面へ戻るかどうか、次四半期以降の受注動向に引き続き注目したいところです。