改革案の要点
| 項目 | 現行 | 改革案 |
|---|---|---|
| 構成銘柄数 | 30社 | 50社 |
| 選定方法 | 時価総額上位30社 | 時価総額上位40社+直近12カ月の売上成長率上位10社 |
| 対象ユニバース | 香港取引所メインボード | ハンセン総合大型株・中型株指数の構成銘柄 |
| 主要技術テーマ | 6テーマ、16サブテーマ | 6テーマ、24サブテーマ |
| AIの位置づけ | 「自動化」のサブテーマ | 主要テーマの一つへ格上げ |
売上成長率枠の10社は、時価総額枠で選ばれなかった企業から選定します。小型株を無制限に取り込む仕組みではなく、流動性を確保するため、候補はハンセン総合大型株・中型株指数の構成銘柄に限定されます。売買代金要件やイノベーション審査、浮動株調整時価総額による加重方式、通常銘柄8%・外国企業4%という個別銘柄の上限などは変わりません。
AIだけでなく、先端ハードウェアと新領域を広げる
新しい6テーマ案は「デジタルプラットフォーム&ソリューション」「人工知能」「先端ハードウェア」「ロボティクス&オートメーション」「クラウド」「フロンティア技術」です。
AIは従来のサブテーマから独立し、AIインフラ、AIプラットフォーム、AIアプリケーションの3分野に整理されます。先端ハードウェアには半導体、専門部品、スマート機器、新エネルギー貯蔵・材料を含めます。フロンティア技術では宇宙・衛星、量子コンピューティング、脳・コンピューター接続、先端フードテック、先端材料まで対象を広げる案です。
業種要件も撤廃する方針です。技術企業を情報技術や一般消費財など従来の業種分類だけで囲わず、実際の事業テーマで選びやすくする狙いがあります。
指数への影響は「銘柄数ほど大きくない」
2026年6月30日時点の試算では、構成銘柄を50社へ増やすと上位10社の合計比率は70.6%から66.3%へ低下します。追加20社の想定比率は合計11.5%で、内訳は時価総額枠の10社が9.1%、売上成長率枠の10社が2.4%です。
つまり、銘柄数は約1.7倍になりますが、指数の値動きは引き続き大型株の影響を強く受けます。売上成長率枠10社の比率中央値は0.22%にとどまる試算で、採用そのものと指数への寄与度は分けて見る必要があります。
テーマ別では、先端ハードウェア企業が5社から15社、AI企業が3社から6社へ増える想定です。現在の大型プラットフォーム株中心の色合いを薄め、半導体、AI、ロボティクスへ裾野を広げる設計といえます。
投資家が見る点
第一は、協議案がそのまま採用されるとは限らないことです。意見募集は2026年9月18日までで、ハンセン指数諮問委員会が内容を検討したうえで、最終案を9月末までに公表する予定です。構成銘柄の変更は、承認後の12月リバランスで初めて効いてきます。
第二は、新規採用候補を巡る需給です。ハンセン・テクノロジー指数に連動するパッシブ商品の運用資産は2026年6月末時点で404億米ドルに達しており、採用後は組み入れウェイトに応じた連動資金の買い需要が発生し得ます。ただし、現段階で個別の採用候補は公表されていません。市場の焦点は、9月末の最終決定で示される構成銘柄と想定ウェイトです。
第三は、指数の性格がどう変わるかです。成長率枠の導入で新興企業を拾いやすくなる半面、小型化に伴う流動性や値動きの大きさも増します。指数改革はAI純度を上げるだけでなく、「大型ネット株指数」から「香港上場の広い技術株指数」へ軸足を移す提案です。
確認しておきたい日程
| 日付 | 予定 |
|---|---|
| 2026年9月18日 | 市場協議の回答期限 |
| 2026年9月末まで | 最終決定を公表予定 |
| 2026年9月30日 | 改革案を適用する指数定期見直しの基準期末 |
| 2026年12月 | 承認された場合、構成銘柄変更をリバランスで反映予定 |
関連ページ
出典
- Hang Seng Indexes Company「Media Room」(2026年8月10日公表「Hang Seng Indexes Company Consults Market on Potential Changes to the Hang Seng TECH Index Methodology」および添付市場協議資料)
※本記事は指数算出方法の協議案を整理したもので、特定銘柄や金融商品の売買を勧めるものではありません。指数連動商品は株価変動、為替変動、流動性、連動誤差などの影響を受けます。