今日の見方
今回の決算は、長鑫科技が中国のDRAM企業として大規模な利益を出せる段階に入ったことを示す材料です。営業CFも1,311.56億元となり、利益だけが膨らんだ決算ではありません。もっとも、半年度報告は未監査で、利益率の高さを平常時の実力としてそのまま延長するのは危険です。
日本の半導体関連株を見る場合は、CXMTの好決算を装置・材料株への一律の追い風と読まないことです。DRAMとNAND、汎用品とHBM、価格上昇と出荷数量を分け、下期に価格・在庫・設備投資がどう動くかを確認します。
注目ニュース
1. 売上高は前年同期比873.64%増の1,503.10億元
長鑫科技が8月28日に開示した2026年上期の売上高は1,503.10億元でした。前年同期の154.38億元から大きく伸び、単純比較で約9.7倍となります。会社側は、世界的な計算需要の増加や主要メーカーの生産能力調整を背景に、DRAMの需給逼迫と価格上昇が続いたと説明しています。
投資家が見る点: 増収の中身は、ビット出荷の拡大だけでなく販売単価の上昇が大きく効いた可能性があります。下期は売上高よりも、出荷数量、平均販売価格、製品世代別の構成を追う方が市況の変化を捉えやすいです。
2. 純利益776.05億元、前年同期の赤字から黒字転換
親会社株主に帰属する純利益は776.05億元で、前年同期の23.32億元の赤字から黒字へ転換しました。非経常損益を控除した純利益も787.93億元となり、前年同期の赤字から黒字に転じています。単純計算の純利益率は約51.6%です。
投資家が見る点: 非経常損益控除後の利益が純利益を上回り、主力事業の寄与が大きいと読む材料です。ただ、メモリーは価格変動で利益率が大きく振れる業種です。今回の高い利益率が複数四半期続くかが、上場後の評価を左右します。
3. 営業キャッシュ・フローは1,311.56億元
営業活動によるキャッシュ・フローは1,311.56億元で、前年同期比2,985.64%増でした。会社資料では、主に商品販売に伴う現金収入の増加が背景です。総資産は6月末に4,680.78億元、親会社株主に帰属する純資産は1,347.22億元でした。
投資家が見る点: 利益と営業CFが同時に伸びたため、現金回収を伴う決算として読めます。次は設備投資負担、在庫、売掛金、借入金を確認し、DRAM価格が下がったときにも投資と運転資金を維持できるかを見ます。
確認しておきたい日程
| 日付 | 確認イベント |
|---|---|
| 2026年8月28日 | 2026年上期の半年度報告を開示 |
| 2026年9月以降 | 下期のDRAM価格、出荷数量、在庫、設備投資を確認 |
| 次回決算 | 上期の高い利益率と営業CFが続くかを確認 |
関連ページ
- 長鑫科技が上場初日に465.82%高、A株メモリ相場の熱を確認
- CXMT急騰と世界メモリー株安はなぜ同時に起きたか
- 長鑫科技上場をDRAMサイクルと評価面から分析
- 長鑫科技(CXMT)IPO分析|中国DRAM国産化をどう見るか
出典
- 長鑫科技: 「2026年半年度報告」「2026年半年度報告摘要」(2026年8月28日開示、上海証券取引所掲載)
- 上海証券取引所・上場会社の定期報告
- 長鑫科技公式サイト
- 上海証券取引所: 長鑫科技の科創板上場取引に関する公告