2026年7月毎月勤労統計速報 現金給与総額は前年同月比4.7%増、実質賃金は2.4%増、総実労働時間は0.2%減。 2026.09.08 / 注目1件 7月毎月勤労統計・速報 賃金は伸びる、労働時間は伸びない 現金給与総額 +4.7% 43万6,401円 実質賃金 +2.4% 7か月連続プラス 総実労働時間 −0.2% 141.6時間 消費の回復と企業の人件費負担を同時に確認 kabutrack.com

今日の見方

7月の賃金統計は、名目だけを見れば強い内容です。現金給与総額は前年同月比4.7%増、所定内給与も4.1%増。物価上昇を差し引いた実質賃金も2.4%増となり、賃金の伸びが物価を上回りました。

ただ、家計の購買力が戻ったことと、企業の売上・利益が伸びることは同じではありません。総実労働時間は141.6時間で前年同月比0.2%減。人手不足や賃上げで1人当たりの給与が上がっても、労働投入量が増えていない業種では、コスト上昇が利益を圧迫する可能性があります。消費株には数量、サービス株には客単価と人件費率を分けて見たい局面です。

注目ニュース

1. 現金給与総額は43万6,401円、前年同月比4.7%増

厚生労働省が9月8日に公表した速報によると、7月の現金給与総額は43万6,401円で、前年同月比4.7%増でした。6か月連続で3%以上の伸びとなり、事業所規模30人以上では50万1,717円、5.3%増でした。

投資家が見る点: 賃金の伸びは個人消費の支えになり得ますが、平均値には賞与などの変動が含まれます。小売・外食・レジャーでは客数や購買単価、耐久財では購入頻度まで確認し、賃金上昇をそのまま消費拡大と置き換えません。

2. 所定内給与4.1%増、特別給与6.3%増

きまって支給する給与は30万1,582円で4.1%増、所定内給与は28万797円で4.1%増でした。特別に支払われた給与は13万4,819円で6.3%増となり、一般労働者の所定内給与は35万6,413円、3.9%増でした。

株価材料として見る点: 所定内給与の伸びは、賞与だけの一時的な増加よりも基調を読みやすい数字です。ただし、厚生労働省は賃金の伸び率がベースアップの影響を受けやすく、定期昇給の影響は受けにくいと説明しています。企業側では、価格転嫁と生産性向上が人件費増を吸収できるかが焦点です。

3. 実質賃金は2.4%増、7か月連続でプラス

消費者物価指数の「持家の帰属家賃を除く総合」で実質化した現金給与総額は、指数ベースで117.6、前年同月比2.4%増でした。実質賃金のプラスは7か月連続で、実質化に使った物価指数は2.2%上昇。総合指数で実質化した場合も2.6%増でした。

投資家が見る点: 実質賃金のプラスは消費関連の追い風ですが、家計が増えた所得を消費へ回すか、貯蓄や生活防衛に回すかは別の論点です。食品・日用品・外食などで販売数量が戻るか、値上げ後も客数が保たれるかを決算で見ます。

4. パート時給は1,460円、労働時間は0.2%減

パートタイム労働者の時間当たり給与は1,460円で前年同月比5.7%増でした。一方、就業形態計の総実労働時間は141.6時間で0.2%減、所定内労働時間も0.2%減でした。常用雇用指数は107.3で0.8%上昇しています。

株価材料として見る点: 雇用が増え、時給も上がる一方で労働時間は伸びていません。小売・外食・物流などでは、採用難による時給上昇が店舗や拠点の稼働を改善するのか、利益率を削るのかが分かれます。消費の回復と人件費負担を同じ決算資料で点検します。

確認しておきたい日程

日付確認事項
2026年9月17〜18日日本銀行の金融政策決定会合。賃金・物価の基調が政策判断の材料になり得る
2026年9月28日2026年7月分の毎月勤労統計・確報(公表予定)
2026年10月7日2026年8月分の毎月勤労統計・速報(公表予定)

関連ページ

出典

速報値は確報で改訂される場合があります。本文は厚生労働省の公式資料をもとに独自に構成し、名目賃金・実質賃金・労働時間を分けて記載しています。市場の見方は統計からの推論であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式投資には価格変動による元本割れの可能性があります。