先週の半導体株が反発した5つの要因

今日の見方

先週の反発は、三つに分けて見ると分かりやすい。第一に、急落後のポジション調整。第二に、米国半導体株の持ち直し。第三に、TSMCの売上高による需要面の確認だ。

このうち、株価を押し上げた直接の力は買い戻しだった可能性が高い。AI投資への警戒や金利上昇で売りが先行していたため、悪材料が追加されないだけでも、短期資金が戻りやすい局面だった。

したがって、先週の上昇をそのまま「AI需要の急改善」と読み替えるのは早い。反発が続くかどうかは、SOX、米長期金利、日本株の出来高を見ながら判断したい。

反発を支えた5つの材料

1. 急落後の買い戻し

半導体株はその前の局面で、AI需要の鈍化懸念や金利上昇を背景に大きく調整していた。短期間で下げた銘柄は、悪材料が増えないだけでも買い戻しが入りやすい。

レーザーテックの週ベース約8.7%高も、業績期待だけで説明するより、急落後のポジション調整が含まれたと見る方が自然だ。

2. SOXが9月18日に2.78%反発

Nasdaq公式データでは、9月18日のPHLX半導体株指数(SOX)は11,921.69、前日比+319.22、+2.78%となった。米半導体株の反発は、日本の製造装置・検査装置株にも心理的な支援材料になる。

ただし、1日だけの上昇でトレンド転換と判断するのは難しい。

投資家が見る点: SOXが11,900台を保ち、次の取引日も高値・安値を切り上げられるか。

3. TSMCの売上高が需要懸念を和らげた

TSMCの8月売上高は5,148億600万台湾ドル、前年同月比+53.3%。1〜8月累計も前年同期比+39.3%だった。

この数字だけで日本の半導体装置株の受注増まで断定することはできない。それでも、「先端半導体需要が急失速している」との懸念を和らげる材料にはなった。

投資家が見る点: 今後の設備投資計画や装置メーカーの受注に、需要の強さが実際に表れるか。

4. 金利低下は一時的な支援材料

金利は追い風だった時間帯があるものの、週を通じた安心材料ではなかった。米財務省の10年パー利回りは9月18日時点で5.01%。高PERのAI・半導体株には、依然としてバリュエーション面の重しが残る。

また、FRBは9月16日に政策金利を0.25%引き上げ、3.75〜4.00%とした。金融環境が全面的に緩んだ局面での上昇、という整理には無理がある。

投資家が見る点: 米10年債が5%台で定着するのか、低下に転じるのか。

5. 需要確認と需給改善が重なった

先週の上昇は、AI需要の急改善という一本の話ではない。急落で売られたところに、SOXの反発、TSMCの実績、金利が低下した場面が重なり、押し目買いやポジション調整が入りやすくなった、という流れだ。

株価の戻りが大きい銘柄ほど、業績の改善を先取りしているとは限らない。反発の勢いと、実際の業績材料は分けて確認したい。

次に確認する3つ

1. SOX反発が続くか

9月18日の+2.78%だけでは材料としては不十分だ。上昇日だけでなく、下落日にどこまで底堅さを保てるかも見る必要がある。

2. 米10年債が再び上昇しないか

9月18日は5.01%だった。ここから金利がさらに上昇すれば、高PERの半導体株には再び逆風がかかる。反対に、金利低下とSOX続伸がそろえば、先週の反発が続く余地は広がる。

3. 日本株で出来高を伴うか

レーザーテック、アドバンテスト、東京エレクトロンなどが高寄りするだけでなく、前場後半から終値にかけても強さを保てるかが重要だ。

高寄り後に失速するなら、まだ買い戻し中心。終値ベースで高値を更新し、出来高も増えるなら、リバウンドから上昇トレンドへ移る可能性が高まる。

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