記事の図解

フォトレジスト値上げは報道段階

一部報道によると、JSR、東京応化工業(4186)、信越化学工業(4063)が、10月1日から世界の顧客向けに新価格を適用し、基本15%以上の値上げを行うという。

ただ、9月28日時点で3社の公式発表は確認できていない。対象製品や契約条件、顧客への適用時期も明らかではないため、「3社が一律に15%値上げ」と断定するのは早い。報道の続報に加え、各社の説明や顧客側の反応を確認したい。

フォトレジストは、露光工程でウエハーに回路パターンを転写するための材料だ。先端品では製品ごとの性能や顧客認定が採用を左右する。価格改定が実際に通るなら材料メーカーの採算に関わるが、値上げ報道だけで数量や利益の増加まで見込むことはできない。

東京応化は一部製品で価格転嫁を説明

東京応化工業は2025年12月期の決算説明会で、原材料費や流通コストの上昇を受け、フォトレジストの一部製品について値上げを顧客にお願いし、了承を得たケースがあると説明していた。

これは一部製品の話で、今回報じられた3社共通の価格改定を裏付けるものではない。それでも、フォトレジストの価格交渉がすでに始まっていたことは分かる。焦点は値上げの有無だけでなく、どの製品で、どの顧客に、いつから反映されるかだ。

Micron決算は会社予想とコメントを確認

Micronは9月30日午後2時30分(米山岳部時間)に第4四半期の決算説明会を開く。米東部時間では午後4時30分、日本時間では10月1日早朝にあたる。

6月に公表した第4四半期の会社予想は次の通り。

項目4Q会社予想
売上高500億ドル ± 10億ドル
粗利益率約86%
Non-GAAP EPS31.00ドル ± 1.00ドル

第3四半期の売上高は414億6,000万ドルだった。会社予想の上限・下限を含めても、4Qに大幅な増収を見込む内容だ。決算では実績が予想を上回ったかだけでなく、次の四半期の見通しや利益率がどう変わるかを見たい。

Micronは第3四半期時点で、HBM4の主要顧客向け量産出荷を始めたと説明している。HBM4Eは2027年中の量産を見込む。今回の決算では、HBMの供給状況に加えてDRAM・NANDの価格、粗利益率、設備投資、2027年の需要見通しが手掛かりになる。

日本株への波及は事業ごとに違う

東京応化工業(4186)・信越化学工業(4063)

フォトレジストの値上げが確認されれば、まず材料事業への影響が論点になる。ただし両社とも事業はレジストだけではない。会社全体の業績にどれほど寄与するかは、製品構成や数量を見なければ判断できない。

アドバンテスト(6857)

AI半導体やHBM向けのテスト需要が焦点。Micronの需要見通しや顧客の生産計画が参考になるが、メモリ価格だけで同社の受注を決めつけることはできない。

東京エレクトロン(8035)

メモリメーカーの設備投資計画を確認したい。Micronの投資額や供給能力に関するコメントは材料になるものの、同社の設備投資が日本の製造装置各社へ同じように波及するとは限らない。

ディスコ(6146)

HBMの積層や先端パッケージに関連する後工程需要が手掛かりになる。HBMの増産計画と、実際の設備稼働や装置受注を分けて追いたい。

キオクシアホールディングス(285A)

MicronのNAND価格や需給に関する説明が参考になる。DRAMやHBMの強さが、そのままNAND市況の改善を意味するわけではない。

10月1日に分けて見るポイント

フォトレジストの値上げ報道は、公式確認と顧客への適用が次の確認事項だ。Micronの決算は、会社予想に対する実績と、その先のメモリ価格・利益率・投資計画が焦点になる。

値上げが事実でも、材料メーカーの販売数量や利益が同じ幅で伸びるとは限らない。メモリ市況もHBM、DRAM、NANDで温度差が出る。材料の価格交渉とメモリ各製品の需給をひとまとめにせず、それぞれの数字と会社説明を確かめたい。

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