今日の見方
取得率だけでは、数日間の育休と長期間の育休が同じ「取得」に含まれる。取得期間の公表が加われば企業の制度運用を読む手掛かりになるが、集計方法がそろわなければ単純比較は難しい。まず見るのは、対象企業と算出方法がどう定まるかだ。
企業側では、休暇を取得する人の業務を誰が担うか、勤務途中の休暇をどう管理するかが実務上の課題になる。採用・定着への効果は、離職率や復職後の就業継続などで確かめる段階だ。検討案の公表だけで、人材サービスやHRテックの受注増まで見込む材料にはならない。
注目ニュース
1. 男性育休の取得期間を公表項目に加える案
資料は、常時雇用する労働者数が1,000人を超える企業について、男性育休の取得率に加えて取得期間も公表項目に加えるかを検討課題としている。取得期間の算出方法などは、この資料では具体化されていない。
投資家が見る点: 対象範囲と集計方法が固まれば、人的資本開示の比較に使えるかを判断しやすくなる。期間の長さだけでは採用力や離職率の改善は分からず、各社の実績と合わせて読む必要がある。
2. 認定基準と、勤務途中の休暇利用を検討
くるみん等の認定基準について、男性育休の取得率基準の引き上げ、取得期間の基準導入、中小企業特例の見直しを挙げた。子の看護等休暇と介護休暇では、勤務途中に時間単位で休む「中抜け」を原則可能とするかを検討する。
投資家が見る点: 勤怠管理の対応に加え、現場の代替要員や業務分担が焦点となる。制度があっても利用できない状態が残るなら、定着への効果は出にくい。障害児・医療的ケア児、不登校の子の親への両立支援も、別の検討項目に含まれる。
3. 深夜業制限の同居家族要件は16歳から18歳への案
資料は、深夜業免除の対象から除外される同居家族要件について、年齢を16歳から18歳へ引き上げるかを検討項目に挙げた。これは養育される子の対象年齢を変える案ではなく、同居家族の存在によって深夜業制限の対象外となる条件の見直しだ。
投資家が見る点: 小売、外食、物流、介護など夜間勤務のある企業では、対象者の範囲とシフトへの影響が確認点になる。年齢以外の要件や施行時期も含め、最終的な制度設計を待つ段階だ。
出典
- 厚生労働省「第92回労働政策審議会雇用環境・均等分科会」
- 厚生労働省「仕事と育児の両立支援に関する検討項目(案)」資料1-2(2026年10月2日)