今日の見方
きまって支給する給与は3.9%増、所定内給与は3.8%増。特別給与は前年同月と同水準で、今回の伸びは賞与より定例給与が中心だった。実質賃金はプラスを維持したが、伸びは前月速報から鈍っている。
家計の購買力には追い風でも、事業者には人件費増が返ってくる。小売・外食では売上だけでなく、値上げ後の客数と利益率を合わせて追いたい。円相場や金利への波及は、賃金と物価の動きが続くかを日銀がどう見るかに左右されるため、8月の数字だけでは決められない。
注目ニュース
1. 実質賃金は8カ月連続プラス
持家の帰属家賃を除く総合CPIで実質化した現金給与総額は指数83.7、前年同月比1.5%増。7月速報の2.4%増から0.9ポイント鈍化した。総合CPIで実質化した場合は1.9%増だった。
消費への波及: 家計調査や小売販売で、賃金増が実際の購入数量に表れているかを追いたい。名目売上だけでは購買力の回復を測りにくい。
2. 定例給与とパート時給が上昇
現金給与総額は3.8%増、きまって支給する給与は3.9%増、所定内給与は3.8%増。パートタイム労働者の所定内時間当たり給与は1,472円、4.3%増で62カ月連続のプラスとなった。
企業業績への焦点: 賃上げ分を価格に転嫁できるか。人件費率と営業利益率を並べれば、売上の伸びが採算に残っているか見えてくる。
3. 速報値と調査断層に注意
2026年1月の調査対象事業所の部分入替えで、現金給与総額には新旧調査間でマイナス1,582円、率にしてマイナス0.5%の断層が生じている。今回の数値も確報で改定される場合がある。
速報値の扱い: 確報で数値が改定されることもある。調査対象の部分入替えによる断層を踏まえ、翌月以降も実質賃金のプラスが続くかを見たい。