記事の図解

まず結論

第1四半期は減収減益でした。売上高は前年同期比25.5%減、営業利益は41.0%減です。一方、レーザーテックは売上高が当初想定どおり進み、今期の受注見通しは従来の想定を上回ったと説明しました。通期業績予想に変更はありません。

減益だけを見ると弱い内容ですが、会社説明には受注見通しの改善も含まれます。通期予想の維持を達成確度の保証とみなさず、受注が売上に移る時期と、四半期ごとの利益の推移を見極める局面です。

第1四半期は売上高403億69百万円、営業利益157億69百万円

2027年6月期第1四半期(2026年7月1日〜9月30日)の連結実績は次の通りです。金額は会社の決算短信に記載された百万円単位を億円に換算しています。

項目2027年6月期1Q前年同期比2026年6月期1Q
売上高403億69百万円−25.5%541億71百万円
営業利益157億69百万円−41.0%267億28百万円
経常利益147億11百万円−45.8%271億41百万円
親会社株主に帰属する四半期純利益107億34百万円−43.7%190億57百万円

製品別では、半導体関連装置の売上高が238億49百万円(前年同期比42.9%減)、その他製品が5億8百万円(134.7%増)、サービスが160億11百万円(31.2%増)でした。製品構成は変化していますが、会社は単一セグメントとして開示しており、製品ごとの利益率は示していません。売上構成だけから減益の原因を特定することはできません。

損益計算書では、売上総利益が前年同期の328億7百万円から240億35百万円に減少し、販売費及び一般管理費は60億79百万円から82億66百万円に増加しました。この両方が営業利益の減少に表れています。費用増加の内訳や一時性については、決算短信だけでは評価しきれません。

通期予想は変更なし、営業利益進捗率は12.6%

会社は2026年8月6日に公表した2027年6月期の連結業績予想を維持しました。

項目通期会社予想前期比1Q進捗率
売上高2,900億円+25.8%13.9%
営業利益1,250億円+18.8%12.6%
経常利益1,250億円+15.9%11.8%
親会社株主に帰属する当期純利益900億円+16.2%11.9%

進捗率は第1四半期実績を通期予想で割った値です。営業利益で見ると、残る9カ月に必要な利益は1,092億31百万円です。これは単純な差し引きであり、会社が示した四半期別予想ではありません。

年間予想に対する25%という均等進捗と比べると、1Q時点の進捗率は低い水準です。ただし、会社は受注や顧客への納入・検収の時期を踏まえた四半期別の業績予想を公表していません。1四半期の比率のみから通期未達を判断することはできません。

受注見通しは従来想定を上回るとの説明

会社は、半導体業界ではAIデータセンター投資を背景にCPU、GPU、HBMなど先端半導体の需要が高水準で推移し、デバイスメーカーの設備投資計画も積極化したと説明しています。その環境下で、今期の受注見通しは従来の想定を上回ったとしています。

これは会社が示した受注見通しであり、当四半期の売上や利益がすでに回復したという意味ではありません。今回の売上高は当初想定どおりと説明されているため、今後は受注の積み上がりと売上計上の時期、利益率の戻り方を分けて確認する必要があります。

配当予想は年間351円で据え置き

2027年6月期の年間配当予想は351円(中間140円、期末211円)で、今回の決算短信では修正なしです。前期実績329円に対して22円の増配計画ですが、今回新たに発表した増配ではありません。会社は業績に応じた配当方針を掲げており、業績予想の変動に伴って配当予想が変わる可能性があります。

株価材料として見るポイント

短期的には、前年同期比で大きく減った営業利益と、進捗率12.6%が注目されます。一方、会社は売上が想定どおりで受注見通しが改善したと説明し、通期予想も据え置きました。減益だけを切り出すと、会社が説明した受注面の状況を見落とします。

評価を分けるのは、会社の受注見通しが後続四半期の売上高と利益にどの程度つながるかです。受注残や四半期別計画について会社が追加開示する場合は、その内容を通期予想の前提と照らす必要があります。現時点では、決算短信にない製品別採算や受注残の数値を推定材料として加えていません。

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