2026年11月2日〜6日 半導体株が材料を織り込む日

11月2日と4日で、東京市場が織り込む材料は異なる

Nasdaqの公表値では、SOXは米国時間10月30日に10,688.80で終了し、前日から829.40ポイント、7.20%下落しました。当日安値は10,439.01。終値と下落幅から逆算した10月29日終値は11,518.20です。

10月30日の東京市場は、同日の米SOX急落より先に取引を終えています。急落後、国内現物株が初めて売買されるのは11月2日です。その日の夜の米国市場が閉まるころには、日本は3日の休場日に入っています。

材料が出る時点(日本時間)米国での取引・発表東京の現物市場が反応する日
10月30日夜〜31日朝米国10月30日のSOX急落11月2日(月)。週明けの寄り付きから織り込む
11月2日夜〜3日朝米国11月2日の半導体株の値動き11月4日(水)。3日は東証現物休場。対象先物・オプションでは祝日取引を実施
11月3日夜〜4日朝米国11月3日の株式市場と、引け後のAMD決算。説明会は日本時間4日7時11月4日(水)。前日の米国株に加え、2日の米国株とAMDの需要見通しも重なる
11月5日(木)15時30分ロームの2027年3月期第2四半期決算11月6日(金)。発表は東証引けと同時で、通常の現物取引での反応は翌日が中心
11月6日(金)22時30分米国10月雇用統計。米東部時間8時30分翌週11月9日(月)。6日の東京現物市場には結果が間に合わない

AMD決算では、AI向けGPU需要、データセンター関連売上、次四半期の見通しが材料になります。国内の検査装置・加工装置株では、4日の寄り付きで上昇しても、その後の買いが続くかが焦点です。AMDの需要見通しと、日本の各社が開示する受注・出荷の説明が整合するほど、反発を支える根拠は増します。

ロームはパワー半導体、自動車・産業機器向けの需要の強弱を探る材料です。6日夜の米雇用統計は、米金利や米半導体株を通じて翌週に影響します。当週中は発表前の警戒、翌9日は公表結果を受けた反応という違いがあります。

国内3社の株価比較と決算の差

アドバンテストは前週比7.79%高、東エレクとレーザーテックは戻りが小さい

10月30日の東京市場終値を基準に比較します。前週比は10月23日終値との比較、直近高値・安値は10月2日〜30日の20営業日の日中高値・安値です。米国10月30日のSOX急落を織り込む前の国内株価になります。

銘柄10月30日終値前週比20営業日安値20営業日高値高値からの下落率
アドバンテスト(6857)34,860円+7.79%30,030円(10月23日)41,990円(10月7日)−16.98%
東京エレクトロン(8035)9,514円+0.59%8,800円(10月23日)12,915円(10月6日)−26.33%
レーザーテック(6920)37,700円−0.89%35,020円(10月23日)48,950円(10月2日)−22.98%

前週比の基準となる10月23日終値は、順に32,340円、9,458円、38,040円。前週比は「10月30日終値÷10月23日終値−1」、高値からの下落率は「10月30日終値÷期間中高値−1」で算出し、小数第2位に丸めています。配当を含まない株価の変化率です。

週間で最も戻したのはアドバンテストです。28日の増益決算を挟んで前週末を7.79%上回りましたが、29日終値37,030円から30日には5.86%下落しました。決算後の上昇と、その後の売りが同じ週に起きています。

東京エレクトロンは週間では小幅高でも、20営業日高値からは26.33%下落し、3社で調整幅が最も大きい状態です。レーザーテックは週間でも小幅安で、高値比では22.98%下落。業績の差に加え、直前週の戻りの強さも3社でそろっていません。

11月2日にまず比較するのは、10月30日の日中安値であるアドバンテスト33,470円、東京エレクトロン9,412円、レーザーテック35,400円です。特にレーザーテックは、その下に20営業日安値35,020円が近接します。寄り付きで割り込んだ後に戻すのか、引けまで下回るのかで、売りの継続を測れます。

アドバンテスト・東京エレクトロンは増益、好業績はどこまで織り込み済みか

アドバンテストの2027年3月期中間期(2026年4〜9月)は、売上高8,452億円、営業利益4,568億円で、それぞれ前年同期比60.5%増、96.5%増でした。東京エレクトロンも10月30日発表の中間期売上高が1兆6,675億円、営業利益が5,068億円。通期売上高予想3兆7,000億円、営業利益予想1兆1,690億円を示しています。

両社では、AI向け高性能半導体の設備投資が売上と利益に結びついています。とりわけアドバンテストは、営業利益の伸びが売上高の伸びを上回りました。

株価評価では、この強さがどこまで織り込み済みかが問題です。好決算後も売られるなら、先の成長期待やバリュエーションが調整されている可能性があります。実績の良さと、短期の株価の強さを照らし合わせたい局面です。

レーザーテックは減益、受注の売上化を待つ

レーザーテックの2027年6月期第1四半期(2026年7〜9月)は、営業利益が157億69百万円と前年同期比41.0%減でした。通期予想は据え置き。会社は今期の受注見通しが従来想定を上回ると説明しています。受注から売上・利益への計上には時間差があり、足元の減益と先の受注見通しが併存しています。

受注の売上計上が遅れれば、株価の戻りも鈍くなる可能性があります。受注残の規模に加え、出荷時期と利益率が論点です。同じAI半導体向けでも、すでに利益が伸びている企業と、受注の売上化を待つ企業では評価が分かれそうです。

半導体株の反発・続落を分ける国内の条件

国内3社の値動きでは、安値を更新する銘柄が増えているか、反発に売買が伴うかを追います。売買代金は前営業日の同時刻と比較し、大引けでは一日合計どうしを比べます。株価上昇を伴う代金増か、下落を伴う代金増かで、売買の集中する方向が変わります。

日経225先物の期近は、東京の寄り付き前から指数全体への売り圧力を把握する補助材料です。国内3社の安値更新が止まり、戻りを保つ銘柄が増えることを、半導体株の反発判断の中心に置きます。

シナリオ確認する指標とタイミング条件
売り先行11月2日寄り前の日経225先物と、同日前場〜大引けの国内3社の安値・売買代金先物安を受けて売られても、後場にかけて当日安値の更新が止まり、戻りを保つなら売り一巡の兆し。下落と代金増が続けば売り圧力が残る
反発11月4日の寄り付き後〜大引けの国内3社の株価・売買代金、2日の安値との位置関係2日の安値を維持し、売買代金を伴って上昇する銘柄が増える。日経225先物の下げも広がらず、AMD決算後の買いが寄り付きだけで終わらない
続落11月2日後場と4日以降の国内3社の安値更新数・下落時の売買代金、日経225先物2日の安値を4日以降も切り下げる銘柄が増え、代金増を伴って売られる。先物の下落も続く場合、国内の売り圧力は強い

SOXは米国側の材料として、次の三つの水準を参照します。国内株の方向や騰落率がSOXにそろうことを前提にはしません。

水準意味日中の値動きと終値の違い
10,439.0110月30日の当日安値。確立された支持線ではない一時的に割って戻すのか、終値でも下回るのかが下げの継続を測る目安
10,688.80急落後の10月30日終値日中の上抜けは買い戻しの初動。終値で上回れば、急落後の水準から一段戻したことになる
11,518.20急落前の10月29日終値。10月30日終値に下落幅を足した値終値で回復すれば急落分を取り戻したことになる。その後の終値も回復幅の定着を測る材料

SOXが10,439.01を終値で下回り、国内でも安値更新と下落時の売買代金増が重なるなら、反発シナリオより売りの継続を警戒する局面です。

関連記事

出典