まず結論

大手対面証券会社を選ぶときは、最初に「何を重視するか」を決めた方が早いです。

重視すること候補になりやすい会社
情報量・ブランド・総合力野村證券
店舗相談とネット取引の併用大和証券
IPO・信用取引・キンカブSMBC日興証券
みずほ銀行連携・債券・相続相談みずほ証券
MUFG連携・富裕層向け相談三菱UFJモルガン・スタンレー証券

手数料だけなら、対面証券会社はネット証券に負けやすいです。

ここははっきりしています。

ただし、証券会社選びは手数料だけではありません。

担当者に相談したい、まとまった資産を一元管理したい、相続や贈与まで見たい、社債やIPOの機会も欲しい。こういうニーズがあるなら、大手総合証券は候補になります。

逆に、国内株と投資信託をスマホで低コストに買いたいだけなら、無理に対面証券をメインにする必要はありません。

大手対面証券会社5社の比較表

まずは全体像です。

証券会社強み注意点
野村證券国内最大手級の情報量、対面相談、富裕層向けサービス店舗口座とオンライン専用支店で手数料体系が違う
大和証券店舗網、ダイワ・ダイレクト、ハッスルレート、資産管理サービス現物株手数料はネット証券より重くなりやすい
SMBC日興証券IPO、ダイレクトコースの信用取引0円、キンカブ現物株は完全無料ではない。キンカブはスプレッドを見る
みずほ証券みずほ銀行・信託との連携、債券、相続相談ダイレクトコースでも現物株手数料は高め
三菱UFJモルガン・スタンレー証券MUFG連携、富裕層向け相談、国内外情報通常の現物株手数料はコース・窓口で大きく変わる

5社とも、ネット証券のような「低コストで大量に売買するための道具」とは少し違います。

どちらかと言えば、資産全体を見てもらう場所です。

そのうえで、ネット注文やダイレクト系コースを使うと、コストをある程度抑えられる会社もあります。

国内株式手数料で比べる

国内株式の現物取引をネット系チャネルで行う場合、5社にはかなり差があります。

ここでは、各社で比較的低コストになりやすいネット系の注文方法を中心に見ます。

証券会社低コスト寄りの現物取引ルート50万円付近の手数料目安100万円付近の手数料目安
野村證券オンライン専用支店のオンライン注文524円1,048円
大和証券ダイワ・ダイレクトのオンライントレード1,897円3,795円
SMBC日興証券ダイレクトコースの日興イージートレード440円880円
みずほ証券ダイレクトコースのネット倶楽部約1,732円約3,465円
三菱UFJモルガン・スタンレー証券MUFGテラス・コースのインターネットトレード約2,145円約3,663円

手数料だけで見ると、SMBC日興証券と野村證券のオンライン系ルートが比較的軽いです。

大和証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、ネット注文でも現物株の短期売買にはやや重く感じやすい水準です。

ただし、この表はあくまで通常の国内株式現物取引の目安です。

コース、注文経路、信用取引口座、NISA、単元未満株、キャンペーン、手数料改定で変わることがあります。

実際に注文する前に、必ず各社の公式手数料ページを確認してください。

信用取引で比べる

信用取引は、手数料だけを見るとSMBC日興証券とみずほ証券が目立ちます。

証券会社ネット系信用取引の特徴
野村證券オンライン専用支店のオンライン注文は1注文524円
大和証券ダイワ・ダイレクトの信用取引サービスは50万円以下314円、50万円超524円
SMBC日興証券ダイレクトコースの日興イージートレード信用取引は委託手数料0円
みずほ証券ダイレクトコースのオンライン信用取引は委託手数料無料
三菱UFJモルガン・スタンレー証券ネット信用取引口座では100万円以下550円、100万円超1,100円

ここで大事なのは、無料なのは委託手数料だけという点です。

信用取引では、買方金利、貸株料、信用管理費、名義書換料、逆日歩、追証リスクがあります。

「手数料0円だから初心者向け」とは考えない方がいいです。

信用取引は、手数料よりもリスク管理が先です。

IPOで比べる

IPOを狙うなら、大手総合証券は見逃せません。

ネット証券よりも手数料が高い会社でも、IPOの主幹事・幹事になる機会が多いからです。

証券会社IPOを見るときのポイント
野村證券大型案件・主幹事案件で存在感が大きい
大和証券店舗・ネットの両方でIPO機会を見たい人向け
SMBC日興証券オンライントレードで同率抽選・ステージ別抽選の仕組みがある
みずほ証券ネット倶楽部の抽選参加サービスで申込可能
三菱UFJモルガン・スタンレー証券MUFGグループの総合証券としてIPO・POも扱う

IPOは、口座数が多いほど当たりやすいとは限りません。

配分、抽選方式、資金拘束、申込単位、購入申込の期限が会社ごとに違います。

現実的には、IPOを狙う人はネット証券だけでなく、大手総合証券も複数持つことがあります。

ただし、IPO目的で口座を開く場合でも、普段の資金移動やログイン、抽選スケジュール管理は意外と手間です。

債券・退職金・相続で比べる

大手対面証券の本領は、ここです。

国内株式の売買手数料だけを見ると不利でも、債券、退職金運用、相続、贈与、法人オーナー向け提案まで含めると、対面証券の意味が出てきます。

証券会社向きやすい相談
野村證券富裕層向け資産管理、相続、総合的な運用相談
大和証券退職金運用、店舗相談、資産管理サービス
SMBC日興証券SMBCグループ連携、IPO、信用取引、少額日本株
みずほ証券みずほ銀行・信託連携、債券、相続・承継
三菱UFJモルガン・スタンレー証券MUFG連携、国内外情報、富裕層・法人オーナー向け相談

特に、相続や贈与は手数料の安さだけで選ぶと失敗しやすい分野です。

家族構成、税務、保有不動産、保険、事業承継まで絡むことがあります。

この領域では、ネット証券の低コストだけでは足りない場面があります。

銀行連携で比べる

銀行グループとの連携も、大手総合証券を見るうえで分かりやすい軸です。

証券会社連携イメージ
野村證券独立系大手として証券サービス・情報力が中心
大和証券大和証券グループ内の証券・資産管理サービス
SMBC日興証券三井住友銀行とのバンク&トレードなど
みずほ証券みずほ銀行・みずほ信託銀行との連携
三菱UFJモルガン・スタンレー証券三菱UFJ銀行・MUFGグループとの連携

銀行連携は便利です。

ただし、銀行と同じグループだから最も低コストになる、とは限りません。

資金移動、残高連携、担当者相談、優遇条件などは、会社ごとに別ルールです。

ここは実際に使う前に確認した方がいいです。

少額投資で比べる

少額投資では、SMBC日興証券のキンカブが分かりやすい特徴です。

証券会社少額投資の見方
野村證券まめ株があるが、最低手数料に注意
大和証券るいとうなどの仕組みがあるが、口座管理料・手数料を見る
SMBC日興証券キンカブで100円以上100円単位の金額指定投資が可能
みずほ証券単元未満株は端株整理・買い増し寄りに見る
三菱UFJモルガン・スタンレー証券単元未満株や株式るいとうはルール確認が必要

少額投資は、買いやすさだけで判断しない方がいいです。

最低手数料、スプレッド、約定タイミング、NISA対応、売却ルールが会社ごとに違います。

月1,000円、月5,000円のような小さな積立をしたいなら、通常の総合証券より、ネット証券やスマホ証券の方が使いやすい場合もあります。

どの会社が向いているか

野村證券が向いている人

野村證券は、情報量、ブランド、対面相談を重視する人に向いています。

国内最大手級の証券会社として、投資情報、富裕層向けサービス、相続・資産承継の相談まで含めて見たい人には候補になります。

ただし、手数料体系は店舗口座とオンライン専用支店で分かれます。

国内株を自分で売買するだけなら、オンライン専用支店の手数料を確認した方がいいです。

詳細は野村證券の国内株式手数料ガイドで整理しています。

大和証券が向いている人

大和証券は、店舗相談とネット取引を併用したい人に向いています。

ダイワ・ダイレクトコース、ダイワ・コンサルティングコース、ハッスルレートなど、手数料を見る軸が複数あります。

現物株の売買だけならネット証券より重くなりやすいですが、情報力やサポート、資産管理サービスまで含めると使い道があります。

詳細は大和証券の国内株式手数料ガイドで整理しています。

SMBC日興証券が向いている人

SMBC日興証券は、IPO、信用取引、キンカブを重視する人に向いています。

ダイレクトコースの信用取引委託手数料0円は、大手総合証券の中でも目立つ特徴です。

キンカブで少額の金額指定投資ができる点も、他社と差別化しやすいところです。

詳細はSMBC日興証券の国内株式手数料ガイドで整理しています。

みずほ証券が向いている人

みずほ証券は、みずほ銀行やみずほ信託銀行とまとめて相談したい人に向いています。

国内株式の現物手数料は、ダイレクトコースでも高めです。

その代わり、オンライン信用取引の委託手数料無料、債券、相続・資産承継、銀行連携に強みがあります。

詳細はみずほ証券の国内株式手数料ガイドで整理しています。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券が向いている人

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、MUFGグループとの連携、国内外の情報、富裕層向け相談を重視する人に向いています。

国内株式の手数料は、基本手数料、MUFGテラス・コース、コンサルティング取引コース、ネット信用取引口座で見方が変わります。

通常の現物株を低コストで売買するだけならネット証券が有利ですが、MUFGグループで資産全体を見たい人には候補になります。

初心者向けの選び方

最初の口座を1つだけ選ぶなら、多くの人はネット証券から始めた方が迷いにくいです。

国内株式の売買手数料、新NISA、投資信託、米国株、アプリの使いやすさを考えると、ネット証券の方が日常使いに向いています。

大手対面証券は、次のような目的が出てきたときに検討すると自然です。

  • 退職金をどう運用するか相談したい
  • 相続や贈与を含めて資産全体を見たい
  • 債券や社債の提案を受けたい
  • IPOの申込先を増やしたい
  • 銀行グループとまとめて管理したい
  • 担当者と話しながら大きな金額を動かしたい

言い換えると、日々の低コスト取引はネット証券。

相談・債券・相続・IPO・資産全体の管理は大手対面証券。

この2つを使い分けるのが、かなり現実的です。

図解:大手対面証券会社の使い分け

低コスト売買 基本はネット証券が有利 信用・IPO SMBC日興・みずほなど 総合相談 相続・債券・退職金 大手対面証券は「安く売買する場所」だけではない 手数料、担当者、銀行連携、債券、IPOを分けて比較

まとめ

大手対面証券会社5社は、同じ「総合証券」でもかなり違います。

野村證券は情報量とブランド。

大和証券は店舗相談とネット併用。

SMBC日興証券はIPO、信用取引0円、キンカブ。

みずほ証券はみずほ銀行・信託連携、債券、相続相談。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券はMUFG連携と富裕層向け相談。

国内株式の売買手数料だけなら、ネット証券の方が有利です。

でも、資産が大きくなり、相談、相続、債券、IPO、銀行連携が必要になってくると、大手対面証券を使う意味が出てきます。

まずは「自分は何をしたいのか」を決めること。

手数料を下げたいのか、担当者に相談したいのか、IPOを増やしたいのか、債券を買いたいのか。

そこが決まれば、選ぶべき証券会社はかなり絞れます。

出典

本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。