今日の見方
今回の調査は、2024年から始まった新NISAの買付額を集計したものではありません。2023年までの一般NISA・つみたてNISAと、ジュニアNISAに残る口座数、商品別の残高、受取配当金額などを確認するための調査です。
新NISAの利用拡大を示す統計と並べると、NISA制度は「新しい口座が増える段階」と「過去の非課税口座に残る資産をどう管理するか」が同時に進んでいます。市場では、旧制度の残高がいつ、どの口座へ移るのかを新NISAの買付額と混同しないことが大切です。
注目ニュース
1. 旧NISAの一般・つみたて口座は1,991万5,764口座
2025年12月末の旧NISA(一般・つみたて)口座数は1,991万5,764口座でした。内訳は一般NISAが1,051万1,526口座、つみたてNISAが938万7,881口座です。内訳の合計は、金融機関によって枠別の口座数を取得できない場合があるため、総口座数と一致しません。
投資家が見る点: 旧NISA口座は新規買付の口座数ではなく、過去に開設され、変更・廃止分を差し引いて集計した残存口座です。口座数の大きさだけで新たな株式買い需要と判断せず、保有残高の維持、売却、課税口座や新NISAへの移管を分けて確認します。
2. ジュニアNISAは98万5,553口座、商品別残高も調査
2025年12月末のジュニアNISA口座数は98万5,553口座でした。金融庁は、ジュニアNISAについて年齢別の口座数に加え、上場株式、投資信託、ETF、REITの残高や、2025年中に受け取った配当金額も集計しています。
投資家が見る点: ジュニアNISAは新規口座開設・買付の制度ではなく、既存資産の非課税期間や18歳前後の管理が焦点です。資産が課税口座へ移るのか、継続管理の対象になるのかは年齢や購入年で変わるため、口座数だけで売買需給を決めつけません。
旧制度の統計を読む3つのポイント
口座数と残高は別の数字
口座が残っていても、残高があるとは限りません。反対に、口座数が減っても、少数の口座に大きな残高が残る場合があります。金融庁の調査は口座数だけでなく商品別残高も対象にしているため、制度利用の規模を見る時は両方を確認します。
残高の時価変動を含む
商品別残高は2025年12月31日時点の時価を基準に集計されています。一部の金融機関は基準日時点の数値を把握できず、直近値で集計しているため、残高の変化をすべて売買や資金流出入と解釈することはできません。
新NISAの買付額と二重に数えない
新NISAの累計買付額71兆円は、旧NISA・ジュニアNISAの残高そのものを表す数字ではありません。旧制度の残高と新制度の買付額は対象が異なるため、個人マネーの市場規模を推計する時は集計範囲をそろえる必要があります。
リスクと確認点
- 旧NISA・ジュニアNISAの口座数は、新規投資額や現在の保有残高を直接示さない
- 残高は時価変動の影響を受け、売買だけで増減するわけではない
- 非課税期間や移管の扱いは、制度区分・購入年・年齢などで異なる
- 旧制度の残高が日本株に投資されている割合は、この口座数調査だけでは分からない
確認しておきたい日程
- 2025年12月31日時点:旧NISA・ジュニアNISAの口座数、商品別残高、配当金額の調査基準日
- 次回の金融庁NISA利用状況調査:旧制度の残高推移と新NISA利用の継続状況を確認
関連ページ
出典
- 金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和7年12月末時点)の公表について」(2026年7月3日)
- 金融庁「NISA(一般・つみたて)・ジュニアNISA口座の利用状況調査(令和7年12月末時点)」(2025年12月末時点)