今日の見方
7月の雇用者数は2万3,000人減から2万1,000人増へ修正され、8月は16万2,000人増。見出しだけなら、夏場の雇用失速をいったん打ち消す内容です。米連邦準備制度理事会(FRB)は7月会合で政策金利を3.50~3.75%に据え置きましたが、3人は0.25ポイントの利上げを主張しました。雇用の下振れより物価を警戒しやすい地合いへ戻った、と読むのが自然です。
もっとも、今回の16万2,000人をそのまま景気全体の再加速とは扱えません。飲食店が5万9,000人、地方政府教育が4万2,000人増え、この2分野で全体の約62%を占めます。地方政府教育は前月の減少をおおむね取り戻した形です。数字は強い。中身には偏りがある。次の焦点は、9月11日の米消費者物価指数(CPI)と、発表後の金利・為替です。
発表後の市場スナップショット
9月4日23時37分(日本時間)時点の主な指数・為替は次の通りです。日経平均と上海総合は雇用統計の公表前に取引を終えており、日経225先物、ドル円、米国株は公表後も動いている途中の値です。
| 市場 | 値・騰落率 | 時点 |
|---|---|---|
| 日経平均 | 65,020.94円(+806.46円、+1.26%) | 9月4日現物終値 |
| 日経225先物 | 65,550円(現物終値比 約+529円) | 9月4日23:37 |
| ドル円 | 1ドル=155.922円 | 9月4日23:37 |
| NYダウ | -0.52% | 9月4日23:37 |
| NASDAQ総合 | -0.21% | 9月4日23:37 |
米国株が下落するなかでも日経225先物は現物終値を上回っており、現時点では週明けの高寄りを示す形です。円安も輸出株の採算期待を支えやすい組み合わせ。ただし、9月4日の日経平均上昇は値がさ株への集中が大きく、先物の高さだけで全面高とは読めません。寄り付き後にTOPIX、騰落銘柄数、半導体以外の業種が追随するかまで見ます。
注目ニュース
1. 8月は16万2,000人増、過去12カ月平均を上回る
非農業部門雇用者数は8月に16万2,000人増えました。過去12カ月の月平均3万1,000人増を大きく上回り、6月は2万人増から3万1,000人増、7月は2万3,000人減から2万1,000人増へ修正されました。
投資家が見る点: 雇用悪化を理由にした利下げ期待は後退しやすくなります。米2年・10年国債利回りとドル円が上がる場合、高PERのグロース株には評価倍率の重荷となります。銀行株は米金利だけで決めず、日本の長期金利と利ざや、信用コストを分けて見ます。
2. 増加は飲食店と地方政府教育に集中
飲食店は5万9,000人、地方政府教育は4万2,000人、製造業は1万6,000人増えました。情報産業は2万3,000人減り、医療は1万3,000人増と、過去12カ月の月平均3万2,000人増を下回りました。
投資家が見る点: 雇用者数の総額だけで米国需要の広がりを決めず、業種構成を確認します。製造業の持ち直しは日本の機械・素材株に関係しますが、1カ月の雇用だけで受注回復まで断定はできません。
3. 失業率4.1%、賃金は前年比3.1%上昇
失業率は4.1%で横ばい、労働参加率は61.6%へ0.2ポイント上昇しました。民間部門の平均時給は37.75ドルで、前月比0.3%、前年同月比3.1%上昇。平均週間労働時間は34.4時間へ0.1時間伸びています。
投資家が見る点: 雇用者数に加え、賃金と労働時間がそろって伸びています。FRBにとっては景気の安心材料である半面、需要とサービス物価が鈍るかを見極める材料でもあります。9月の政策判断はCPIと合わせて読む必要があります。
4. 週明け日本株は金利・為替・指数の広がりを確認
次の東京市場は9月7日です。同日は米国がレーバーデーで休場ですが、9月4日の米国株、米国債、ドル円は雇用統計を織り込んで取引されます。FRBの次回会合は9月15・16日に予定されています。
投資家が見る点: 日経平均だけでなく、TOPIX、銀行、輸出、半導体・グロースの相対強弱を並べます。円安と金利上昇が同時に進む場合でも、輸出企業の採算には追い風、内需企業の輸入コストと高PER株には逆風となりやすく、反応は一方向ではありません。
確認しておきたい日程
| 日時(日本時間) | 確認事項 |
|---|---|
| 2026年9月7日 | 米国株式・債券市場はレーバーデーで休場 |
| 2026年9月10日 21:30 | 米国・8月生産者物価指数(PPI) |
| 2026年9月11日 21:30 | 米国・8月消費者物価指数(CPI) |
| 2026年9月17日 3:00 | 米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策発表 |
| 2026年10月2日 21:30 | 米国・9月雇用統計 |
関連ページ
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- FRBとは?米国の中央銀行が金利・為替・株価に与える影響
- FOMCとは?政策金利の決まり方と投資家が見るポイント
出典
- 米労働統計局「The Employment Situation - August 2026」(2026年9月4日公表)
- 米連邦準備制度理事会「Federal Reserve issues FOMC statement」(2026年7月29日)
- 米労働統計局「Schedule of Releases for September 2026」(PPI、CPIの公表予定)
- 米連邦準備制度理事会「Calendar: September 2026」(FOMCとレーバーデー)
- 日経平均プロフィル「日次サマリー」(2026年9月4日の現物終値)
- 日本取引所グループ「先物相場情報(夜間立会)」(日経225先物)
- Nasdaq「NASDAQ Composite」(NASDAQ総合)
- S&P Dow Jones Indices「Dow Jones Industrial Average」(NYダウ)
※雇用統計と日程は公式資料、市場値は2026年9月4日23時37分(日本時間)のスナップショットを基に整理しています。市場への影響は金利、為替、物価指標、企業業績、需給などで変わります。特定の銘柄や金融商品の売買を推奨するものではありません。