AI訓練に残る日米差
訓練提供などを受けた割合は、金融・保険業で日本26.9%に対し米国60.5%、英国57.2%、ドイツ54.8%。製造業では日本33.3%、米国62.7%、英国51.7%、ドイツ54.2%だった。いずれの業種も日本は比較対象の3か国を下回る。
これはAI導入率や投資額の比較ではなく、AI利用者のうち企業から訓練提供などがあったと答えた人の割合だ。白書の別の集計では、正社員向けOFF-JTの実施率は2024年度に71.6%。ただし事業所規模で差があり、30~49人では65.0%、1,000人以上では98.6%だった。
教育投資を実務の成果につなげられるか
人的資本投資は、1995年を100とした指数で2021年に58.3まで低下した。リスキリングを進めにくい理由には、必要なスキルを特定できないことや、業務繁忙・人員制約による学習時間の不足が挙がる。研修予算を用意しても、現場が時間を取れなければ実施は広がりにくい。
リスキリングに取り組んだ企業のうち、効果が「あった」と回答した割合は従業員29人以下で79.1%、30~99人で83.8%、100人以上では87.2%だった。これは実施企業による自己評価で、研修の効果を客観的に測った生産性指標とは異なる。AI・人材育成関連企業の導入件数や継続契約は追えるが、研修後に顧客企業の作業時間やエラー率が改善したかは、この白書からは分からない。