今日の見方
2025年、インドネシアは世界のニッケル採掘量の62.7%、精錬・精製量の45.1%を占めました。米国の鉱石採掘は約1万トンにとどまり、一次ニッケル消費9万トンの多くを輸入しています。主な輸入先はカナダです。インドネシアからの直接輸入が少なくても、同国の生産動向は国際価格を通じて米国市場に及びます。
供給集中は価格変動を通じ、ステンレス、電池、EV、航空宇宙向け素材のコストに響きます。鉱山権益や長期契約を持つ商社・非鉄と、輸入依存度が高く値上げを通しにくい素材・部品企業では、同じニッケル高でも受け止め方が異なります。
注目ニュース
1. インドネシアへの供給集中
2025年の世界採掘量421万トンのうちインドネシアは62.7%、精錬・精製量373万トンの45.1%を占めました。同国の政策や生産動向が国際価格へ与える影響は大きい構造です。
輸出政策や生産計画、中国企業の投資が、国際価格と関連企業の採算を左右します。
2. 米国は中流工程が空洞化
米国のニッケル採掘は世界シェア約0.2%で、国内の一次精錬・精製能力は事実上失われています。2025年の一次ニッケル消費は9万トンで、精錬品の輸入依存が大きい状況です。
北米で精錬設備の投資が進むか、友好国からの調達が実際に増えるか。設備・素材企業の受注につながるかは、計画の具体化を待つ必要があります。
3. 海底鉱床と需要拡大
IEA見通しではエネルギー技術向けニッケル需要が今後25年間で4倍超に増える一方、米国政府は海底鉱床の探査・開発を推進しています。
海底鉱床の開発は長期の政策テーマです。許認可、環境負荷、採算の課題があり、短期の業績寄与とは切り分けて考えます。