今日の見方
対外直接投資は前期から3兆4,908億円増えました。製造業は2兆602億円、非製造業は6兆3,819億円で、北米3兆3,086億円、アジア2兆2,619億円、欧州1兆9,811億円が中心です。単一地域や製造業だけの増加ではない点が内訳の特徴で、地域・業種の偏りも合わせて捉えられます。
M&Aや海外拠点の拡張、金融取引の活発化は、銀行や商社、事業会社の案件機会につながることがあります。ただ、投資額が増えれば資金流出や借入、のれんも膨らみます。対内投資のマイナスも日本株売りを意味せず、直接投資関係の回収を含む数字です。
注目ニュース
1. 対外直接投資は前期比70.5%増
4~6月期の対外直接投資は8兆4,420億円で、前期の4兆9,513億円から3兆4,908億円増えました。前年同期比でも4,584億円増加しています。統計は国際収支の方向原則に基づく四半期計です。
投資家が見る点: 投資額だけでは案件の採算は分かりません。企業が公表する買収規模、調達方法、収益計画と突き合わせます。
2. 非製造業と北米が中心
非製造業は6兆3,819億円で全体の約75.6%、金融・保険業だけで2兆7,972億円でした。地域別では北米が3兆3,086億円で最大となり、アジア2兆2,619億円、欧州1兆9,811億円が続きました。
投資家が見る点: 金融・保険業の比重が大きく、製造業の設備増強だけを示す数字ではありません。米国金利、規制、為替ヘッジが投資採算に与える影響を見ます。
3. 対内直接投資は引き揚げ超
対内直接投資は5,813億円のマイナスで、前期の8,839億円の流入超から引き揚げ超へ転じました。製造業が5,826億円の引き揚げ超、非製造業は14億円の流入超でした。
株価材料として見る点: マイナスは撤退、持分回収、企業内取引などのネット結果で、海外投資家による上場株売却とは別統計です。大型案件の有無や次四半期の動きを、企業発表と併せて追います。
出典
- 日本銀行「業種別・地域別直接投資」(2026年10月8日公表)
- 日本銀行「2026年4~6月中 対外・対内直接投資」Excel
- 日本銀行「2026年1~3月中 対外・対内直接投資」Excel(前期比較)