2026年9月企業物価指数速報

前月比は2か月連続で低下、品目によって差

8月の前月比は0.3%低下へ改定され、9月も同じ下落率だった。主な押し下げ要因は次のとおり。寄与度は、それぞれの類別が全体の前月比をどれだけ動かしたかを示す。

類別前月比国内企業物価全体への寄与度
農林水産物−8.8%−0.42ポイント
石油・石炭製品−2.2%−0.15ポイント
電力・都市ガス・水道+1.3%+0.08ポイント

農林水産物では米や豚肉、石油・石炭製品では重油や軽油などが下落要因となった。ただ、飲食料品は前月比0.2%上昇している。農産物の下落を、そのまま加工食品や外食の仕入れ全体の改善とは読めない。小売価格への波及にも、調達契約や在庫の入れ替えによる時間差がある。

前年比では非鉄金属が40.2%、化学製品が13.3%上昇した。素材を売る側の販売単価と、それを使う側の調達費は同じ価格変動の表裏にある。値上がりが続く品目を多く使う企業には、全体指数の低下だけでは判断できない負担が残る。

輸入物価は契約通貨では上昇、円換算では低下

輸入物価は契約通貨ベースで前月比1.0%上昇したが、円ベースでは0.2%低下した。円ベースの前年比は24.5%上昇。資料の参考為替相場は前月比1.5%の円高で、円換算と契約通貨の動きが分かれた。

輸出物価は円ベースで前月比0.5%、前年比17.9%上昇した。輸出入とも円換算値には為替が影響するため、価格交渉による単価の変化とは分けて読む。足元の円相場が動けば、翌月以降の指数の見え方も変わる。

株式市場では価格転嫁と利益率の組み合わせを見る

以下は統計を基にした見方であり、当日の株価反応を示すものではない。値上げで売上高が増えていても、仕入れ費用の上昇がそれを上回れば粗利益率は下がる。食品・外食・運輸などでは、販売価格の改定時期と原材料・燃料費の動きが採算を左右する。素材メーカーでも、販売単価の上昇だけで利益増は決まらず、販売数量と調達費が響く。

発表は東京株式市場の現物取引開始前だった。寄り付き後の食品・素材・輸出株や円相場、国債利回りの動きには他の材料も重なるため、この統計だけを原因として扱わない。また、企業間の取引価格を示す指数の低下から、消費者物価や日銀の政策判断を直接導くこともできない。

出典

確認日:2026年10月13日。数値は速報値で、後日改定される場合がある。