2026年9月貸出・預金動向速報

都銀等の貸出は7.7%増、地域銀行は4.1%増

貸出の伸びは業態によって差がある。銀行計の内訳では都銀等が地域銀行を上回った。平残は月末残高ではなく、月中の日々の残高を平均した額を指す。

貸出の区分9月の平残前年同月比
銀行計601兆7,466億円+5.7%
都銀等(銀行計の内数)280兆9,598億円+7.7%
地銀・地銀II(銀行計の内数)320兆7,868億円+4.1%
信用金庫80兆2,281億円+2.0%

地域銀行の中でも、地銀は4.5%増、地銀IIは1.9%増だった。なお、全体の8月の伸び率は、前回公表時の5.4%から5.3%へ改定されている。過去記事の速報値と比べる場合も、今回の改定値を基準にする。

貸出残高には外貨建て貸出の為替換算なども影響する。残高増をそのまま新たな貸出需要の増加とみなすのは難しい。この速報では、企業向け・個人向けの構成や適用金利までは分からず、増加の中身は各行の開示で補うことになる。

預金は1.6%増、貸出とは対象行が異なる

3業態・信金計の実質預金とCDの平残は1,071兆5,876億円だった。実質預金は未決済の手形・小切手を除いた預金、CDは譲渡性預金を指す。

前年比では都市銀行が2.7%増、地銀・地銀IIが0.9%増、信用金庫が0.1%増。地銀IIは0.6%減と、業態によっては預金が減っている。地域銀行の資金調達を考える際には、地域ごとの預金の動きや預金獲得のために支払う金利が論点になる。

集計範囲にも違いがある。貸出の「都銀等」は信託銀行などを含む10行、預金の「都市銀行」は5行だ。両総額を単純に差し引いて融資余力を計算したり、伸び率の差を利ざや改善と読み替えたりすることはできない。

銀行株では、融資量が利益に結び付くかを見る

以下は統計を基にした銀行収益の見方であり、当日の株価反応を示すものではない。融資量の拡大は利息収入の支えになるが、預金金利や市場調達費用が上がれば、その効果は削られる。各行の決算では資金利益と預貸金利ざや、調達コストを合わせて読むほうが、貸出残高だけを見るより収益の変化を捉えやすい。

利息収入が増えても、与信費用が膨らめば最終的な利益には残りにくい。貸出の増加と、貸出先の信用状態は別に追う論点だ。預金の伸びの弱さが調達費用の上昇につながっているかも、この速報だけでは確定できない。

発表は現物株の取引開始前だった。銀行株や国債利回りの反応を読む場合は、同日の他の材料も合わせて扱う。貸出残高の増加を理由に、銀行株全体の方向を決めつける材料にはしない。

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8月記事の数値は当時の速報値。今回の比較には改定後の数値を用いた。

出典

確認日:2026年10月13日。数値は速報値で、後日改定される場合がある。