日本株朝刊 2026年10月31日 注目6件

今日の見方

週明けは、まず半導体関連株を各社の決算に照らして見る場面です。寄り付きで東京エレクトロン、レーザーテック、電子部品株が同方向に動くのか、通期計画や受注への評価で差がつくのか。指数の動きだけでは、個別材料が評価されたかは分かりません。

10月30日の終値は、日経平均が前日比2.12%安、TOPIXが0.95%安でした。週明けは銀行株の値動きと、東証全体の値上がり・値下がりの広がりも観察点です。日経平均を動かす一部の大型株の反発が、市場全体に及ぶかを分けて捉えます。11月2日の翌日は祝日で現物取引がないため、日程の面でも通常の週初とは異なります。

注目ニュース

1. インテルとアマゾンの決算――需要と投資負担を分ける

インテルの10月29日公表の2026年7〜9月期売上高は165億ドル、前年同期比21%増。10〜12月期の売上高見通しは150億〜160億ドルで、会社はPC市場の減速が少なくとも2027年前半まで続くと説明しました。アマゾンの同日決算では、AWS売上高は約460億ドルに増加。一方、9月末までの直近12カ月のフリーキャッシュフローは424億ドルの流出となり、AI関連の設備投資が主因でした。出典:両社決算

投資家が見る点: 日本の製造装置・電子部品企業への波及は、PC向けとデータセンター向けで異なります。クラウド需要の伸びは設備の供給企業には販売機会になりますが、購入側には資金負担です。米企業の決算を一括して「AI需要の失速」と読むと、この違いを見落とします。

2. 東京エレクトロン――通期営業益1兆1,690億円を計画

東京エレクトロン(8035)が10月30日に公表した2027年3月期の通期予想は、売上高3兆7,000億円、営業利益1兆1,690億円。中間期の営業利益は前年同期比67.2%増でした。同日、取得総額1,500億円・2,500万株をそれぞれ上限とする自社株買いも決議しています。出典:東京エレクトロンIR

投資家が見る点: 増益率の大きさと、週明けの株価の反応は別です。寄り付き後の値持ちを見ながら、通期計画がどこまで評価されるかが焦点になります。自社株買いの上限額は取得済みの金額ではなく、実際の取得は今後の開示で追う材料です。

3. TDK――通期予想を修正、年間配当予想は50円

TDK(6762)の10月30日発表によると、2027年3月期の営業利益予想は3,650億円、親会社の所有者に帰属する当期利益予想は2,800億円です。中間期の営業利益は前年同期比41.0%増。年間配当予想は1株50円で、中間25円、期末予想25円の構成です。前期の年間配当実績は36円でした。出典:TDK決算資料

投資家が見る点: 業績予想の変更と配当を分けて評価する局面です。会社全体の増益だけでなく、どの事業の利益が伸び、下期にも続く前提なのかを決算説明資料で点検する余地があります。増配という見出しだけで、利益成長の持続性までは判断できません。

4. レーザーテック――1Q営業益41%減、通期計画は据え置き

レーザーテック(6920)が10月30日に公表した2027年6月期第1四半期は、売上高403億6,900万円、営業利益157億6,900万円。前年同期比ではそれぞれ25.5%減、41.0%減でした。通期予想は売上高2,900億円、営業利益1,250億円を据え置いています。出典:レーザーテック決算資料

投資家が見る点: 1四半期の減益と通期計画の達成可能性が論点です。営業利益の通期計画に対する進捗率は約12.6%ですが、単純な4分の1との比較では達否を決められません。今後の売上計上予定と受注残の消化が伴うかが判断材料になります。

5. 日銀――金利据え置きとETF売却の開始時期を区別

日銀は10月30日、政策金利を1.25%程度に据え置く方針を賛成8、反対1で決定しました。ETF売却は年間約3,300億円から約8,600億円へ増やす方針ですが、いずれも簿価ベースで、適用は2027年1月からです。11月2日に増額後のペースで売却が始まるという意味ではありません。出典:日銀政策決定

投資家が見る点: 銀行株では、追加利上げの時期に対する見方と、実際の貸出・預金金利の変化を分けて見る必要があります。貸出利ざやの改善余地に加え、保有債券の評価損や信用コストも利益を左右します。据え置きという結果だけで銀行株全体の強弱は決まりません。

6. GSX――1株8,500円のTOBが11月2日開始予定

グローバルセキュリティエキスパート(4417)は10月30日、アクセンチュアによる普通株1株8,500円の公開買付けに賛同し、応募を推奨しました。買付期間は11月2日〜12月15日。買付予定数には98万3,100株の下限があり、成立後は非公開化を目指す計画です。出典:GSX IRニュース

投資家が見る点: 株価と買付価格との差だけでは判断できません。買付けの成立条件、決済までの期間、条件変更の有無が論点です。TOB成立を条件に期末配当を0円とする予想修正も公表されており、買付価格と従来の年間配当を単純に足す見方はできません。

確認しておきたい日程

日付(日本時間)予定と確認点
10月31日(土)〜11月1日(日)日本株現物市場は休場。次の取引日に向けて決算資料を整理する期間。
11月2日(月)日本株の次の取引日。MabGenesis(653A)が東証グロース上場予定。公開価格は830円。GSXのTOB開始予定。
11月2日(月)14:00日銀「経済・物価情勢の展望」の全文公表予定。
11月2日(月)時刻未定日銀総裁会見の記録(10月30日分)の掲載予定。会見自体は10月30日に実施済み。
11月3日(火・文化の日)日本株現物市場は休場。大阪取引所・東京商品取引所のデリバティブ祝日取引とは区別。

11月2日のIPOは、初値と公開価格の関係に加え、初値形成後も売買が続くかが観察点です。出典:JPXカレンダー、新規上場会社情報、日銀公表予定

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出典

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