来週の3行予測

  • ベース:64,000〜66,000円。 日経225先物が64,000円台を維持し、米半導体株が崩れず、Brentが110ドル方向へ再急騰しない場合を中心シナリオとします。
  • 強気:66,000〜67,000円。 SOX高が継続し、米10年債が5%を明確に下回り、米中首脳会談が関税・AI・レアアースを巡る緊張緩和材料となる場合です。
  • 弱気:62,700〜64,000円。 原油高、米10年債5%超、半導体安、円高のうち複数が重なる場合で、9月14日の安値62,726.18円が次の下値目安になります。

① 来週の日経平均・TOPIXシナリオ

9月18日の日経平均は65,018.95円(+1.38%)、高値65,436.57円、安値64,403.85円でした。TOPIXは4,091.14(-0.07%)で、東証プライムは値上がり511銘柄に対し値下がり1,003銘柄。日経平均の上昇ほど市場全体には買いが広がっていません。

9月21〜23日は東京証券取引所の現物市場が休場です。一方、大阪取引所では3日間ともデリバティブの祝日取引が実施されます。次の現物取引日は24日で、米国株3営業日分、米金利、原油、為替、米中協議の変化をまとめて織り込むため、通常の週明けより寄り付きのギャップが大きくなる可能性があります。

シナリオ日経平均の目安条件市場の見方
ベース64,000〜66,000円祝日先物が64,000円台、原油の上昇が限定的65,000円を軸に方向感を探る
強気66,000〜67,000円SOX続伸、米10年5%割れ、米中緊張緩和値がさ株からTOPIXへ広がるかが焦点
弱気62,700〜64,000円原油急騰、米金利上昇、半導体安9/14安値62,726円近辺が下値目安

上値では65,436円→66,000円、下値では64,404円→64,000円が最初の分岐です。指数だけでなくTOPIXと騰落銘柄数が改善するかで、上昇の持続性を分けて評価します。

直接確認先: 日経平均プロフィル「9月18日日次サマリー」 / JPX「東京証券取引所日報」 / JPX「9月21〜23日のデリバティブ祝日取引」 / JPX「デリバティブ市場情報」

② 米国株・SOX・NVIDIAなど海外要因

9月18日の米国株は、S&P500が+0.17%、NASDAQが+0.40%、ダウが-0.18%。米10年債利回りが5%近辺まで上昇する一方、半導体株が指数を支えました。SOXは11,921.69、+2.78%、NVIDIAは222.27ドル、+1.34%でした。

来週の最大の海外イベントは、9月24日の米中首脳会談です。米国と中国は関税、AI、レアアース、農産物、エネルギーなどを巡る協議を進めており、米国産LNGへの中国の15%関税引き下げも交渉対象と報じられています。日本株では半導体製造装置、電子部品、自動車、機械など中国・米国双方の需要に連動する業種への影響が大きくなります。

9月20日午前、中国は1年物LPRを3.00%、5年物を3.50%で据え置きました。追加緩和のサプライズはなく、中国内需の弱さは引き続き機械・素材・消費関連の選別材料です。米財務長官ベッセント氏と中国の何立峰副首相の会談は米国時間20日に予定されており、本稿の12時時点では結果は出ていません。

日本株への判断:半導体はやや強気、ただし米10年債5%が上値制約。 米中協議が緊張緩和へ進めば半導体・自動車・機械に追い風、対立が再燃すれば逆方向の反応が想定されます。

直接確認先: Nasdaq「SOX History」 / Nasdaq「NVIDIA」 / Reuters「9月18日の米国株」 / Reuters「米中首脳会談を含む来週の市場テーマ」 / Reuters「米中LNG関税協議」 / Reuters「中国LPR据え置き」 / Reuters「ベッセント米財務長官・何立峰副首相会談」

③ 為替・日米金利・原油

指標9月18日までの最新確認値来週の焦点
USD/JPY156.7円台(一時158.05円)158円台再突入か、介入警戒で円高へ戻るか
日本10年債2.99%前後日銀1.25%適用後の3%定着の有無
米10年債5.00%近辺5%超定着なら高PER株に逆風
WTI100.30ドル空運・物流のコスト負担
Brent104.87ドル110ドル方向ならインフレ再加速警戒

日銀は9月18日に政策金利を1.25%へ引き上げましたが、円は一時158.05円まで下落しました。新しい金利水準は9月24日から適用されます。銀行には利ざや改善期待がある一方、不動産・REIT・高PER株には資金調達コスト上昇が重荷です。

原油はBrent104.87ドル、WTI100.30ドルで週を終えました。19日にはフーシ派がリヤドなどへの攻撃を主張し、中東の供給リスクは週末も残っています。一方、日本の石油元売り各社は11月まで必要量を確保していると石油連盟が説明しており、日本国内で直ちに原油不足が起きるとの見方は後退しています。価格高止まりによるコスト負担と、物理的供給不足のリスクは分けて見る必要があります。

日本株への判断:資源・石油はやや強気、銀行は中立〜やや強気、自動車は円安メリットと原油高コストの綱引き、空運・物流・不動産は慎重。

直接確認先: 日本銀行「金融市場調節方針に関する公表文」 / 日本銀行「外国為替市況」 / 財務省「国債金利情報」 / Reuters「日銀利上げ後のドル円」 / Reuters「9月18日の原油」 / Reuters「日本の石油元売り、11月まで原油確保」 / Reuters「9月19日のサウジ情勢」

④ 来週の重要経済指標・中央銀行イベント

来週は日本の現物取引が2日しかなく、休場中に海外イベントが先に進む点が通常週との最大の違いです。

日時イベント日本株への意味
9/21〜23東証現物休場、OSEデリバティブ祝日取引海外材料を先物が先行して織り込む
9/23(米国時間)米S&P Globalフラッシュ製造業PMI米10年債5%近辺で景気・インフレ観測に影響
9/24日銀1.25%の新方針適用開始銀行・円・国債・不動産の反応が焦点
9/24米中首脳会談関税・AI・レアアース・エネルギーが焦点
9/24 21:30(日本時間)米BEA・4〜6月期国際収支/国際投資ポジションドル・米金利の補助材料
9/25財務省・3か月国庫短期証券、流動性供給入札日銀利上げ後の円金利需給を確認する材料

9月25日の国庫短期証券第1409回は3兆5,000億円程度、流動性供給第462回は6,500億円程度の発行予定です。株価の直接材料ではありませんが、日銀利上げ適用直後の債券需給と銀行・保険株の評価を読む補助材料になります。

直接確認先: JPX「9月21〜23日のデリバティブ祝日取引」 / Reuters「来週のPMI・米中首脳会談」 / BEA「Release Schedule」 / 財務省「国庫短期証券第1409回」 / 財務省「流動性供給第462回」

⑤ 来週の主要決算予定

一次情報で9月24日の発表日を直接確認できる主要銘柄として、日本オラクル(4716があります。同社IRカレンダーでは、2027年5月期第1四半期決算とアナリスト向け説明会を9月24日に予定しています。

AI・クラウド関連として注目度が高い一方、国内市場は5連休明けです。決算内容だけでなく、休場中の米国テクノロジー株と米金利を同時に織り込むため、初動が企業固有材料だけで決まらない可能性があります。

一次情報で発表日を直接照合できない銘柄は、確定日程として追加していません。

直接確認先: 日本オラクル「Investor Relations Calendar」

⑥ IPO・株主還元・需給イベント

IPOでは、LAYERED(レイヤード、634A)が9月25日に東証スタンダードへ上場予定です。公開価格は1,400円。休場明け2日目の上場となるため、初値だけでなく売買代金と公開価格維持の有無が需給を見る材料です。

株主還元では、前週のTDnetでリッジアイ(5572が通常市場での自己株式取得を公表しており、取得期間は9月24日から始まります。上限16万株・4億5,000万円ですが、上限までの取得を保証するものではなく、実際の買付進捗と出来高の関係が需給評価の軸になります。

自社株買いでは、通常市場買付とToSTNeT-3を区別する必要があります。JPXによると、ToSTNeT-3は買方を発行会社に限定した自己株式取得専用の立会外取引であり、通常市場で期間中に継続して買い注文が出る仕組みとは異なります。

直接確認先: JPX「新規上場銘柄一覧」 / TDnet「適時開示情報閲覧サービス」 / JPX「ToSTNeT取引の種類」 / JPX「自己株式取得」

⑦ 来週強そうな業種・弱そうな業種

業種・テーマ見通し主なドライバー
半導体・AIやや強気SOX+2.78%、NVIDIA反発。ただし米10年5%が制約
資源・石油やや強気Brent104.87ドル、中東供給リスク
銀行・保険中立〜やや強気日銀1.25%適用、国内10年金利3%近辺
自動車・機械中立円安は支援、米中会談と原油高は不確定要因
不動産・REIT慎重国内金利上昇による資金調達コスト
空運・物流慎重WTI100ドル超、燃料費負担
内需・小売中立〜慎重金利・エネルギーコスト上昇と消費への波及

半導体と資源が同時に強くても、背景は異なります。半導体はAI需要と米国株、資源は地政学と供給不安が中心です。原油高がさらに進む場合、資源株には追い風でも日本株全体にはインフレ・金利上昇を通じた逆風となります。

⑧ 来週の注目銘柄

銘柄・テーマ来週の材料見方
アドバンテスト(6857SOX・米金利・AI需給やや強気、金利5%超に注意
東京エレクトロン(8035米半導体株・米中会談中立〜やや強気
キオクシアHD(285AAIサーバー・メモリー需給やや強気、値動きの大きさに注意
ソフトバンクG(9984AIセンチメント・指数寄与中立〜やや強気
MUFG(8306)・SMFG(8316日銀1.25%、国内金利中立〜やや強気
INPEX(1605)・ENEOS(5020原油100ドル超やや強気
トヨタ(7203)・ホンダ(7267ドル円・米中通商中立
JAL(9201)・ANA HD(9202ジェット燃料・原油慎重
日本オラクル(47169/24第1四半期決算個別決算材料を優先
リッジアイ(55729/24から通常市場自社株買い期間需給支援の実績を観察

来週見るべき3ポイント

1. 休場中の先物が65,000円をどう通過するか

9月18日の現物終値は65,018.95円、夜間の日経225先物は64,900円です。21〜23日の祝日取引で64,400円前後を維持できるか、65,436円を超えるかが24日の現物寄り付きの方向を左右します。現物再開後はTOPIXと騰落銘柄数が追随するかが、指数上昇の広がりを測る材料です。

2. 米中首脳会談が半導体・自動車・機械へ波及するか

9月24日の米中首脳会談では、AI、レアアース、関税、農産物、エネルギーが主要論点です。関税緩和やレアアース供給安定が具体化すれば半導体・自動車・機械に支援材料となる一方、台湾や先端技術を巡る対立が強まれば逆風となります。

3. 「原油100ドル」と「米10年5%」が同時に続くか

Brent104.87ドル、WTI100.30ドル、米10年債5%近辺という組み合わせは、資源株には追い風でも、空運・物流・内需・高PER株には負担です。原油と金利がともに低下すれば半導体・グロースの上値余地が広がり、反対に両方が再上昇すれば65,000円定着の難度が上がります。

関連記事

出典

データ利用・投資リスク

日経平均など第三者が権利を保有する指数データについては、権利者の利用条件・ライセンスに従って利用する必要があります。KABUTRACKでの商用利用・再配布に必要な許諾範囲は、各権利者の最新条件に照らして判断する必要があります。現時点で、当該指数データの商用利用・再配布に関する許諾取得済みとは扱いません。

本記事は情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式・ETF・先物等への投資は価格変動により投資元本を割り込む可能性があり、為替、金利、原油、地政学、流動性などの影響で損失が拡大する場合があります。予測レンジは条件付きシナリオであり、将来の価格を保証するものではありません。