今日の見方
確報でも実質賃金が2.0%増を保ったのは明るい材料。ただ、速報からは0.4ポイント下方改定され、現金給与総額の伸びには5.3%増となった特別給与(賞与など)も寄与した。サービス価格も国際運輸を除くと3.2%で前月から横ばいだ。賃金上昇が家計消費にどこまで回るか、値上げが企業の利益率を押し上げるかは、これらの数字だけではまだ読めない。なお、サービス価格指数の過去値は9月28日の遡及訂正後の系列との比較になる。
株式市場では、賃金上昇は内需企業の販売機会であると同時に、人件費の増加要因でもある。金利高は銀行の利ざや改善期待につながる半面、銀行・保険会社が持つ債券の評価損を広げることもある。高PER株や借入負担の大きい企業には割引率・利払いの両面から重しになりやすい。次に見るのは円相場と金利カーブ、そして10~12月の国債入札で需給案がどう受け止められるかだ。
注目ニュース
1. 7月実質賃金は2.0%増、速報から下方改定
厚生労働省の確報では、現金給与総額は43万4,507円、前年同月比4.3%増。所定内給与は27万9,911円で3.8%増、特別給与は13万3,533円で5.3%増だった。実質賃金は「持家の帰属家賃を除く総合」で2.0%増となり、速報の2.4%増から下方改定された。
投資家が見る点: 実質賃金のプラスは消費の支えになり得るが、賞与を含む平均値である。小売・外食では販売数量と客数、労働集約型企業では人件費率を確認する。
2. 企業向けサービス価格は3.7%上昇
日銀が8時50分に公表した8月速報は、総平均が115.4、前年比3.7%上昇、前月比0.3%上昇だった。国際運輸を除く総平均は前年比3.2%。外航貨物輸送は74.2%、リースは21.1%上昇した一方、広告は0.3%低下した。
投資家が見る点: サービス価格の上昇は、提供企業には単価改善、利用企業にはコスト増となる。国際運輸を除いた系列は前年比3.2%で横ばい。価格転嫁が利益率に残るか、改定後の過去系列と合わせて追いたい。
3. 日銀7月会合は1.0%維持を8対1で決定
日銀が公表した7月30~31日会合の議事要旨では、無担保コール翌日物金利を1.0%程度で推移させる方針を賛成8・反対1で決定した。高田委員は物価上振れリスクなどを理由に1.25%を提案した。なお、日銀は9月会合で1.25%への利上げを決めている。
投資家が見る点: 7月時点の議論は現在の政策金利ではない。9月18日に1.25%へ引き上げた後、次の焦点は賃金・物価と円相場が追加利上げ観測をどこまで支えるかだ。
4. 11月の流動性供給は合計1.2兆円案
財務省が16時の第120回国債市場特別参加者会合で示した案では、物価連動債を11月に2,500億円発行する。流動性供給入札は年限別予定額の合計で10月・12月が各7,500億円、11月が1.2兆円。市場環境により見直される場合がある。
投資家が見る点: 総額だけでなく、5年・10年・超長期ゾーン別の需給と入札結果を確認する。銀行・保険株への影響も金利カーブの動きによって異なる。
5. 交付税特会借入金は1兆2,000億円程度
財務省は10時30分、交付税及び譲与税配付金特別会計の借入予定を公表した。10月5日に1兆2,000億円程度を入札し、10月16日に借り入れ、2027年4月16日に一括償還する。利率と募入額は入札時に決まる。
投資家が見る点: 約6カ月の円資金需要を示すが、株式への直接性は限定的だ。応募額、募入決定額、決定利率を短期市場金利と比較したい。
確認しておきたい日程
| 日時 | 確認事項 |
|---|---|
| 2026年10月5日 13:00 | 交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金入札結果 |
入札結果は10月5日の入札後、財務省の公表資料で確認できる。