新規貸出と残高ベースの違い
新規貸出の平均金利は、当月に実行された貸出の構成にも左右される。国内銀行の長期は7月の1.895%から1.999%へ0.104ポイント上昇し、短期も1.388%から1.427%へ0.039ポイント上昇した。短期は1年未満、長期は1年以上の貸出を指す。
残高ベースの総合金利は1.510%で、7月の1.483%から0.027ポイント上昇した。新規貸出と既存貸出の金利はともに上がったが、この平均値だけでは政策金利の影響と貸出構成の変化を切り分けられない。なお、新規の総合は当座貸越を除く一方、残高ベースの総合は当座貸越を含む。
業態別では都市銀行が1.882%
新規貸出の総合金利は都市銀行が1.882%、地方銀行が1.731%、第二地方銀行が1.899%だった。顧客層や貸出期間の構成が異なるため、水準の高低をそのまま収益力の順位にはできない。
銀行株は預金コストと信用コストも焦点
貸出利回りの上昇は銀行収益を支える要因だ。ただ、預金金利やその他の調達コストも上がれば、利ざやの改善は限られる。各行の貸出量、預貸率、預金コストを併せて見る場面となる。
借り手の負担増は、設備投資や不動産投資の需要を抑えるおそれがある。銀行側では信用コストや保有債券の評価損も利益を左右するため、貸出金利の上昇だけで株価への追い風とは決められない。