今日の見方
現在と1年後の景況感DIはともに前回から改善したものの、どちらもマイナス圏です。暮らし向きDIはマイナス49.9で、改善幅は0.3ポイント。「ゆとりがなくなってきた」と答えた人は54.4%でした。現在の収入DIはマイナス5.4へ5.3ポイント改善しています。
収入環境の改善は小売り、外食、旅行など内需企業にとって追い風になり得ます。ただ、物価上昇を感じる人が95.5%いるなか、値上げが販売数量を押し下げていないかも同時に見たいところです。円相場や国債利回りを考える際も、金融政策の判断材料はこの調査に限られません。CPIや賃金などの実績と併せて読む必要があります。
調査結果のポイント
1. 景況感DIは改善、なお大幅なマイナス
現在の景況感DIはマイナス53.0。6月調査のマイナス56.7から3.7ポイント上がりました。1年後のDIもマイナス36.2と6.3ポイント改善しましたが、先行きが「良くなる」と答えた人は6.6%、「悪くなる」は42.8%でした。
投資家が見る点: 改善幅よりも、消費数量や実質賃金に変化が出ているかが焦点です。意識の持ち直しが実際の支出に移るか、次の統計で確かめたいところです。
2. 物価上昇実感95.5%、暮らし向きの厳しさも継続
1年前と比べて物価が「かなり上がった」「少し上がった」と答えた人は合計95.5%で、前回の95.3%から上昇しました。1年後も物価が上がるとの回答は88.6%。前回の90.4%を下回ったものの、高い水準です。暮らし向きDIはマイナス49.9でした。
投資家が見る点: 値上げは売上単価を押し上げる一方、買い控えや低価格品への移行につながることもあります。食品、日用品、小売り、外食では単価と客数を分けて見ます。
3. 収入DI改善でも調査の性格に注意
現在の収入DIはマイナス5.4と前回から5.3ポイント改善し、1年後のDIもマイナス14.9へ0.6ポイント上がりました。全国の20歳以上4,000人を対象にした意識調査で、有効回答率は49.3%。企業の景況感を聞く短観や物価統計とは、調査対象も目的も異なります。
株価材料として見る点: 消費者の意識が実際の販売数量や企業売上に表れるかが次の確認材料です。金融政策を読む際は、CPI、賃金、ほかの景気指標も併せて見ます。