前年比の減少率縮小と、前月からの微減を分ける
原数値の平均残高は、9月の532兆8,464億円から10月の532兆5,717億円へ小幅に減少しました。前月比を計算すると約0.05%減です。前年比の減少率が1.6ポイント縮小していても、前月から残高が増えたわけではありません。
| 比較の方法 | 10月の結果 | 読み取れること |
|---|---|---|
| 前年同月比 | 13.6%減 | 1年前より平均残高が少ない |
| 原数値の前月比 | 約0.05%減 | 9月から平均残高がわずかに減った |
| 季節調整済みの前月比年率 | 4.9%増 | 季節性を調整した1カ月の変化を年率に換算すると増加 |
出所:日本銀行の2026年10月分の公表値をもとに比較方法を整理。原数値の前月比は公表残高から計算しています。年率4.9%は、10月の1カ月だけで4.9%増えたという意味ではありません。
日銀当座預金は家計や企業の預金とは別
マネタリーベースは、流通する日本銀行券・貨幣と、金融機関が日銀に置く当座預金の合計です。10月の日銀当座預金の平均残高は413兆9,317億円で、前年同月比16.4%減でした。
この当座預金は、家計や企業が民間銀行に預ける預金とは異なります。マネタリーベースの減少を、そのまま企業の資金繰り悪化や銀行貸出の減少に結び付けることはできません。
投資家が見る点
投資家が見る点: 今回の残高統計だけから、追加利上げや金融緩和への転換を読み取るのは早計です。金融政策の方向は日銀の決定・説明で、企業の資金調達環境は短期金利や貸出動向で確認する必要があります。
株価への影響を考える際も、前年同月比のマイナス幅だけで判断せず、国債利回りや為替の反応を別に確かめるのが出発点です。
関連ページ
出典
- 日本銀行「マネタリーベース(2026年10月)」(2026年11月4日公表、2026年11月5日確認)
- 日本銀行「『マネタリーベース』とは何ですか?」(2026年11月5日確認)